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Ryuji(佐藤流司)、バンド活動に「支えられている」 「何もない」ことを書いたデジタルシングル「無」リリース【インタビュー】

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 俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、PENICILLINのHAKUEIとともに結成したバンドプロジェクト「The Brow Beat」の2024年第1弾デジタルシングル「無」が現在配信中だ。さらに、5月には東名阪ライブツアーも控え、その活動にさらなる注目が集まっている。Ryujiに新曲「無」に込めた思いやライブツアーへの意気込み、20代最後となる2024年の活動について聞いた。

The Brow Beat(写真:宮脇進 (PROGRESS-M)

-今回のシングル「無」はRyujiさんが作詞された楽曲ですが、どんな思いを込めて歌詞を書いたのですか。

 まず、楽曲よりも先に1月17日にシングルを出すことが決定したのですが、そのタイミングでは書きたい思いやどんな曲にしたいということがなかったんですよ。でも、うそは書きたくなかった。何も書きたいことがないのに、当たり障りのない歌詞で出すのは聞いてくださる方にすごく失礼だと思ったので、「何もない」ことを書こうと試みたのがこの曲です。普段感じる無気力や無感情、無秩序、それからマンネリといったものを歌詞に集約させて、ひたすら何もないと感じる人生を書いてみようと思って書いた次第です。今までは、例えば「怒り」を書くにしても、この怒りがあるから明日もどうにかしていこうと、少しでも前向きな思いにつながっていたのですが、今回はずっとマイナスな気持ちだけで作っています。

-これまでは「何も書くことがない」ということはなかったんですか。

 なかったですね。必ず書きたいことがありました。大抵は、何かに対する怒りだったり、生命を愛でる気持ちだったのですが、それもすでに書いてしまったし…。今だったら書くことがありますし、たまたまそういうタイミングだったという感じです。

-そうしたマイナスな感情を歌詞にすることで共有したいと?

 みんなそうだと思いますが、悲しいときにこそ例えばSNSとかに思いを書いてしまうじゃないですか。それが俺は作詞だったという感覚です。きっとみんな誰かに「しんどい」とか、「今、辛い」ということを聞いてもらいたいのだと思います。

-サビの歌詞「トゥルリリ・トゥルリバ」にはどんな意味が込められているのですか

 この世にない言葉を作ろうと思って作った言葉なので、何も意味がない言葉です。

-英語を略した言葉かと思いました。

 確かに。ただ、意味はないけれども、含みがあるように見えたらいいなとは思っていて。歌詞の最後の「言葉さえ あああ」にも本当は歌詞があって、歌っているんですが、そこだけ全く聞こえないようにしているんですよ。芸術には難解であることが大事だと思っているので、この曲もよく分からないと思わせたいという思いがあります。

-ビジュアルはどのようなイメージから作り上げたものですか。

 いろいろな要素を融合させたいと思ってこの形になりました。中にパーカを着たり、革のグローブをはめたりして、ジャンルにとらわれないことをイメージしています。

-HAKUEIさんとの2ショットではなく、Ryujiさんのソロということには何か意味があるのですか。

 原点回帰をしようという思いがあって、今回はソロになりました。お客さまにもいろいろな意見があると思うんですが、もう一回、最初の頃のようにHAKUEIさんプロデュースの俺のバンドプロジェクトという形にしようと。原点に立ち返って表現していこうという思いからです。

-なるほど。今回、もう一曲、「The Brow Beat小学校校歌」も発表されましたが。(オフィシャルストアで販売されたMカードにのみ収録)

 別に語ることは何もないです(笑)。

-校歌はThe Brow Beatの定番になりつつありますよね。

 いや、でも今回で本当に最後にしたい(笑)。今回も「じゃあ、やりますか」とスッと決まったのですが、次はもう絶対にやりません!