エンタメ

前田敦子「何に対しても“楽しい”という気持ちは持っていたい」 ドラマ「ウツボラ」で一人二役に挑む【インタビュー】

前田敦子「何に対しても“楽しい”という気持ちは持っていたい」 ドラマ「ウツボラ」で一人二役に挑む【インタビュー】 画像1

 2012年にグループを卒業後は、俳優として映画やドラマに多数出演し続けている前田敦子。23年も、映画『そして僕は途方に暮れる』や『あつい胸さわぎ』が立て続けに公開された。3月24日から放送・配信される、連続ドラマW-30「ウツボラ」では、美しくミステリアスな双子役に、一人二役で挑む。前田に撮影の裏話や役作りについて、さらには俳優業への思いなどを聞いた。 

前田敦子(ヘアメーク:高橋里帆(HappyStar)/スタイリング:清水恵子(アレンジメントK) (C)エンタメOVO

-中村明日美子さんの大ヒットコミックスのドラマ化です。最初に原作や脚本を読んでどう感じましたか。

 (原作は)美しい絵があってこそ、世界観が確立されている作品だと思っていたのですが、脚本でもそれが忠実に再現されているように感じて、絵がなくても物語が漫画通りに進んでいるのを感じました。作品そのままを映像化しようとしているのが分かり、すてきだと思いました。

-今回一人二役、しかも双子の姉妹を演じるというのは難しかったのでは?

 物語を追っていくと、とても難しく感じますが、その世界をきちんと理解しながら撮影していたので楽しかったです。撮影しながら、新たに発見できたことがたくさんあったんです。原作を読んでいるだけだと分からなかったことが理解できたり…。それは、いち『ウツボラ』ファンとしてとてもうれしい発見でした。

-例えば、どんな発見があったのですか。

 私は今回、「朱」と「桜」という二役を演じたのですが、原作だけを読んでいると、「これはどっちなんだろう」と思うシーンも、撮影のときは、私はどちらを演じているのか理解した上でお芝居ができました。なので、パズルのピースがハマっていく感覚がありました。

-演じ分けはすんなりとできましたか。

 原廣利監督から、「それほど意識して演じ分けなくて大丈夫」と、最初にお声掛けいただいたので、すごくやりやすかったです。意識してしまうと、大げさになってしまうので、普通のテンションで、でも何かが違うという姿をイメージしていました。なので、自分では大きくスイッチを変えてはいないかもしれません。

-「朱」と「桜」の心情を理解できるところはありましたか。

 切ない運命だと思いますし、愛は時にとても複雑で、人間を乱すものだなと思いました。本当に全てが偶然で、運命で…。深い愛がテーマになっていると思ったので、理解はしやすかったです。

-溝呂木役の北村有起哉さんとの撮影はどんな雰囲気でしたか。

 北村さんとは、2022年に舞台でもご一緒しているのですが、「ウツボラ」の撮影が先だったので、初めてお会いしたのはこの現場でした。有起哉さんはすごく元気で、楽しい方なんです。ただ、「ウツボラ」のときは、それほど深いお話もできなかったこともあり、私は(北村は)寡黙な方というイメージを持って撮影できました。それは役柄的にも良かったなと思います。もし、舞台での共演が先だったら、きっと友達のような距離感でお話ししてくださっていたと思うんです。そうしたら、この作品での関係性を演じるのはすごく恥ずかしかったかもしれません(笑)。

-撮影で印象に残っているシーンは?

 屋上から飛び降りるシーンは、思い出に残っています。もちろん合成ではあるのですが、飛び降りる姿は撮影しなければならないので、ある程度は飛び降りないといけなかったんです。初めての体験でしたが、本当に恐怖心が湧いてきて…、キャーと言いながら撮影しました(笑)。いい経験でした。

-撮影現場でのエピソードを教えてください。

 今回、愛知県蒲郡市と幸田町で撮影をさせていただいたのですが、とてもすてきな場所でした。私はいつも地方で撮影があると、地元のスーパーに行って、そこで地元の食材を買うのですが、今回、蒲郡はお魚がおいしくて。撮影の合間にスーパーに行って、お魚をスーパーでさばいてもらって食べていました。それから、トマトやフルーツもおいしかった。蒲郡のスイーツで「あんまき」というものがあるんです。それもすごくおいしくて…おいしいご飯をいただきながら、体をどう調整するかをずっと考えていました(笑)。