NHKで好評放送中の大河ドラマ「どうする家康」。10月22日放送の第40回「天下人家康」では、これまで共に豊臣政権を支えてきた主人公・徳川家康(松本潤)と石田三成が、ついにたもとを分かつこととなった。ここからいよいよ、天下分け目の関ヶ原に向けて物語は加速していく。その関ヶ原の合戦で、家康の東軍と対決する西軍を率いる三成役の中村七之助は、主演の松本と高校の同級生で親友という間柄。松本との初共演の感想や家康と三成の関係について語ってくれた。
-まずは、高校の同級生で親友でもある松本潤さんと初共演した感想をお聞かせください。
僕が高校生の頃、父(十八代目 中村勘三郎)が大石内蔵助役で主演した大河ドラマ「元禄繚乱」(99)に、大石主税役で出演したことがあります。当時、松本は嵐でデビューする前でしたが、NHKで仕事があり、高校から2人で一緒にバスに乗って通っていたことを、今もよく覚えています。それから20年以上が経ち、共に40歳を迎える節目の年に、彼が主演の大河ドラマで僕が石田三成という大役をいただき、初共演が実現しました。神様がここまで待っていてくれたのかな、と思うような巡り合わせに、驚くばかりです。松本は僕の父を慕ってくれていたので、父が見たら、きっと喜んでくれたでしょうね。
-劇中では、これまで信頼し合っていた家康と三成がついにたもとを分かつことになりましたが…。
逆にそういう僕たちの関係が、2人がたもとを分かつシーンを演じる上では役立ちました。僕と同じように松本も父を尊敬してくれていたので、それを太閤殿下(豊臣秀吉/ムロツヨシ)と家康、三成の関係に重ね、松本が仮に父の思いを裏切るようなことをしたら…と想像してみたんです。そうしたら、家康に対する三成の「なぜあなたがこんなことを!?」という怒りはもっともだなと。もちろん、僕と松本が実際にそんなことになるとは思っていませんが(笑)。
-家康と三成の関係を演じる上では、違和感はなかったと?
三成と家康がお互いを信頼し合っているという描き方は珍しいですが、古沢(良太/脚本家)さんが違和感のない石田三成像を作り上げてくださったおかげで、とてもやりやすかったです。朝鮮出兵の頃は、真っ先に事情を打ち明けるくらい信頼し、三成の思いを一番わかってくれる相手だった家康が、太閤殿下が亡くなった途端、思いもしなかった行動をとり始める。その流れが自然だったので、視聴者の皆さんも、三成が登場した頃は、2人が対立するようには見えなかったのではないでしょうか。だから、「もしかしたら今回は、関ヶ原の戦いが起こらないのでは…?」と思っていただけたらうれしいですね。