数々のドラマや映画で活躍する高橋克典が、12月4日から上演する舞台「応天の門」に在原業平役で出演する。本作は、灰原薬による累計240万部発行の人気歴史漫画を舞台化。平安京を舞台に、京の守護に就く在原業平が、若き文章生である菅原道真とともに怪事件の真相解明に挑む。高橋に本作への意気込みや役作りについてなどを聞いた。
-最初にこの作品のお話を聞いたときは、どのようなお気持ちでしたか。
平安を舞台にした作品はとても珍しいですが、想像をふくらませながら作っていく作業が楽しそうですね。
-確かに、大河ドラマで平安時代が描かれたこともあり、とっつきやすくなった感じがします。
以前から、なぜ平安ものをやらないんだろうと思っていたんですよ。以前に、奈良時代を舞台にした作品には出演したことがあったのですが、確かに大変なんです。ロケをしてもCGは必ず必要になりますし、なかなかハードルが高いのかもしれないと思っていましたが、今回は舞台ですから。舞台だからこそ描けることも多いのではないかと思います。
-平安時代を舞台にしているということは、衣装も大変ではないですか。
着るのも大変そうです。本格的ですばらしい衣装なのですが、重いし動きにくいし、衣装自体の世界観がどう物語るのか、芝居と合うのか。慣れるしかないですね(笑)。
-では、原作を読んだ率直な感想を教えてください。
宮中の権力争いやおどろおどろしい空気が非常に簡潔にリズミカルに、現代的に描いている作品だという印象でした。
-業平は、高橋さんが演じている姿がすでに想像できるほどハマり役だと思いましたが、高橋さんご自身はどのような役柄だと感じていますか。
風流人で女性にモテて、時代を超えた色男という印象です。今回の台本では、あまりそうした部分は描かれていないので、しゃべり方や物腰で表現できたらと試行錯誤しています。
-演じる上では、漫画原作であることで意識していることはありますか。
原作を愛している方々がいるので、イメージがかけ離れないようにしたいとは思っています。丸ごとコピーというわけにはいきませんが、僕自身も実写化になったことでガッカリするという経験はあるので、どこか共通点を感じられるように、ドラマでも漫画原作の作品にはたくさん出演していますが、撮影中に原作に立ち返ることもありますし、今回も場合によっては原作に立ち返ってとは思っています。ただ、今回は漫画を台本にしたことで、衣装やビジュアル的なもので味付けをしていく部分が多いのかなと感じているので、今の時点では未知の部分が大きいです。
-本作の製作発表では、菅原道真役の佐藤流司さん、昭姫役の花總まりさんと登壇されました。二人の印象は?
佐藤くんはまだ若さ故にとんがっているのかなと思いましたが、とてもすてきな心の持ち主。コミュニケーションの段階から困るような人だとどう作ったらいいんだろうと不安だったので、安心して作っていけると思います。花總さんはとても可愛らしく、芯の強さとはかなさを兼ね備える人。昭姫の役もよく似合っているので楽しみです。きっとカッチリと役を作ってこられるのではないかなと思います。