―劇中では子育てで成功するために“子どもの受験”で頂点を目指す女性たちの姿が描かれますが、小雪さんが考える“子育ての頂点”とはどんなことだと思いますか。
それを知っている人がいたら教えてほしいです(笑)。子どもも100人いれば100人が違う子ですし、そういういろんな人がいて社会が成り立っているので。うちの子たちはあまり勉強が好きではないのですが、その中でも何の勉強だったら好きなのかな、本人たちが何をやりたいのかなというのは悩みながら模索中なので、私も今子育てされている皆さんと一緒です。自分が子どもの頃は英語や体育、音楽などの科目が好きだったのですが、それをわが子が受け継いでいるのかもまだ分からないですし、10歳前後で全てを決めるのは違うかなと思うので、いろんな経験をさせた上で、子どもは子どものタイミングでやりたいことが1つでも見つかれば、それを信じて伸ばしてあげたいなと思います。どんなことも続けてくれれば身になると思いますし、子どもを“信じて”というのがポイントだと思います。
―子育てをする上で大事にしていることやモットーはありますか。
私の信念は“体を健康にしてあげること”です。教育よりも食育で、体が健康であれば何でもできますよね。勉強ができても体が弱ければ続けられないですし、そのために私は食育に力を入れています。なるべく手作りの物を食べさせる。たとえ品数が少なくても、自分のエネルギーで作った物を子どもに食べさせることをモットーにしています。今日も朝8時に家を出る前に、3人の子どもたちのお弁当を作って来ました。ご飯はかまどで炊いて、パンを食べたい子にはパンを焼いてあげて。
―お仕事をしながら、3人のお子さんそれぞれのリクエストに対応されているのはすごいですね。
できる範囲でしています。今、子どもたちは夏休みなので、仕事に行く前にかまどで炊いたご飯をおにぎりにして置いて来たり。女優以外にも普通の仕事が結構たくさんあるんです(笑)。
―本作に登場するセレブ妻たちのように、子どもの受験に関して悩まれる親御さんも多いのかなと思います。小雪さんはお子さんの受験については、どんなふうに考えていますか。
私は子どもの受験にはあまり興味がないんです。ただご両親が小学校や中学校から私立に通われていて、ご両親もその学校の出身でという場合は、自分たちが来た道を子どもにもたどらせる方が楽という考えもあると思いますし、どの親も間違っているとも、正しいとも言い難いなと思います。私の劇中のせりふにもあるのですが、自分の経験した人生の基軸をたどることが正しいと思う親の気持ち、それが子どもにとって正しい道か、苦しい道かは分からないですよね。親が子どものためによかれと思ってしたことがエゴと呼ばれるのか、愛と呼ばれるのか、それは親の役目なのか。このドラマはすごく行き過ぎた内容の話に見えるかもしれませんが、今の社会問題に通じるものもありますし、悩めるポイントがたくさんあるなと思います。
(取材・文・写真/小宮山あきの)