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松本利夫、EXILEパフォーマー卒業から10年 舞台は「山登りに似ている」 「よろしく候~BOTTOM OF HEART~」【インタビュー】

-ところで、松本さんはEXILEのパフォーマーを卒業されて今年で10年になります。この10年間を振り返ってみてご自身の中で何か変化はありましたか。

 変化があったといえばありましたが、変わってないといえば変わってないです(笑)。EXILEのパフォーマー時代はEXILEのことやグループを大きくしていくことしか考えてなかったんです。でも、自分が卒業するタイミングで、別のことにも熱量が向くようになってきた。そういう意味では、変わったといえば変わりました。かといって目標を失ったわけでもない。そう考えるとあまり変わっていないのかな(笑)。

-パフォーマー卒業の前から俳優業をされていましたが、卒業されたことで俳優業に向き合う感覚は変わりましたか。

 向き合う感覚はそれほど変わっていないです。グループをやっているときも同じ熱量でしたが、ただ、舞台は本当に大変なので(苦笑)。お声を掛けていただけるのであれば、挑戦しようと思っていますが。

-ただ、そうした大変な中でも得るものも大きい?

 そうですね。充実感と達成感が大きいです。日常生活の中で、喜怒哀楽を出すことはあまりないと思いますが、舞台ではそれを毎日やっています。そうすると、心がきれいになっていくんですよ。それが自分にとっては、幸福を味わえる瞬間です。それは山登りにも似ていると思います。山を登るのはめちゃくちゃつらいけれども、頂上に立ったときには達成感や充実感が味わえる。そこから下山しなくてはいけないですし、幸せは一瞬だけですが、頂上に着いたときの気持ちをまた求めたくなるんです。

-なるほど。パフォーマーをされていたからこそ、生でお客さまの前でお芝居をすることに思いが向くというところもあるのですか。

 それもあると思います。生で演じることや表現することが好きなので、そこに楽しみを感じられるのだと思います。緊張も楽しめています。

-最後に公演に向けての意気込みと読者にメッセージをお願いします。

 (取材当時)まだ稽古前なのでこれから変わることも多いとは思いますが、この本を読ませていただいたときに、新しい時代に向かっていくエネルギーを感じました。「新しい時代に向かうためには、今、底辺にいる俺たちが動かないと新しい時代はつくれない」。そんな青春群像劇が描かれています。釜次郎たちの熱さと、それを演じる自分たちの魂の熱さを表現できればと思っています。

(取材・文・写真:嶋田真己)

 LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ「よろしく候~BOTTOM OF HEART~」は、6月26日~30日に都内・シアター1010で上演。

LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ「よろしく候~BOTTOM OF HEART~」