カルチャー

愛知発の新しい「食」ゾーンが誕生、mozoワンダーシティ

mozoワンダーシティ(愛知県名古屋市)で7月14日、翌15日にリニューアルオープンするイーストコート1階の食物販コーナー「mozoフードマルシェ」の内覧会が開催された。施設保有者の株式会社KJRマネジメント、施設運営管理者のイオンモール株式会社の関係者らがリニューアルについて発表し、新たにオープンする8店舗の紹介が行われた。

09年4月にオープンしたmozoワンダーシティは、15年に第1期のリニューアルを始め、19年までに館内外の環境やテナントのラインナップを整えてきた。株式会社KJRマネジメントマネジャーの加藤純子さんは、「22年3月から『mozoのある暮らし』というブランドメッセージを設定。“心地良い暮らし”を地域の皆様に届けるプラットフォームとして存在していくという理念のもとに、第2期のリニューアルを始めた」と説明した。

mozoの意味については、「モゾモゾと生命が地中から出てくるような、活動を始めるぞ!という意味」とイオンモール株式会社営業マネジャーの大谷哲矢さん。施設のハード面でのコンセプトに「mozoパーク」を掲げており、「公園でくつろぐような商業施設を目指している」とした。

22年の第2期リニューアルで最も注力したのが、「mozoフードマルシェ」だ。株式会社KJRマネジメントのマネジャーの中桐祥子さんは、「mozo公園というコンセプトに加えて、SDGs、食の安全安心、地元の方が活躍できるゾーンが、mozoとしての新しい食ゾーンだ」と解説した。顧客の声を拾い、「自分へのご褒美やちょっとした手土産」が手に入る充実した食物販に、mozoがかなり前から行っていたという「SDGsや持続可能な社会に特化した取り組み」をプラスしたという。

コンセプトを受けて、企画や内装を手掛けた株式会社ミュープランニング代表取締役社長の小吹雄一郎さんは、「3年半前に施設から連絡をもらい、地元の名店を集めた地元の人たちによるフードマルシェを作る案に企画から参加した」と語った。全国から出店することで、ショッピングモールのテナントはどこも似たような顔ぶれになりやすい。「変化をつけるという意味で、特色を出せる企業の発掘を行った」という。

内装は、地元名古屋芸大の卒業生である同社設計部の河井彩香さんが仕上げた。ポイントは、クラフト感や素材だ。「公園のような居心地のいい空間に落とし込もうと、グリーンや植栽、いろんな色を使った」。本物の古材を加工して使用し、本物のレンガを塗装してエイジングの表情を付け、各テナントの腰壁には全て異なったタイルを使用した。「東海3県がタイルの名産地なので、東海で取れるタイルを選んだ」と地元の素材にもこだわった。名古屋芸術大学との産学連携の取り組みも始めている。同大学の学生が、フロアマップ、アートウォール、キッチンワゴン、ワークショップ「森の学校」などの企画にも取り組んでいる。

新店舗は次の8店。全国初出店のコーヒースタンド・コーヒー豆販売店「ダブルトールカフェビーンズ」、名古屋初・商業施設初出店の抹茶スイーツ専門店「抹茶ラボ」。パン・カフェ「美瑛小麦の食パン専門店 つばめパン&Milk」、チョコレート専門店「オランオラン カカオ」、台湾カフェ「百花茶荘」は商業施設初出店だ。洋菓子「パティスリージューブル」、みたらし団子・鯛焼き「澤屋」、芋菓子専門店「いもや 和真」。