カルチャー

なぜそんな発言をしたのか 石丸伸二氏の著書『シン・日本列島改造論』発売

 東京都知事選に立候補した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の著書『シン・日本列島改造論』(フローラル出版、税込み1980円)がこのほど発売された。

 第ゼロ章を含め計8章175ページで構成。“シン”の読みで統一した「伸」「深」「真」「新」「心」「親」「進」「申」の各章タイトルの下、次点に終わった都知事選出馬の真意や「政治のエンタメ化」を狙った「炎上覚悟」のSNS(交流サイト)発信の深意などを説明している。

 安芸高田市長時代に一部で話題となった、議会への「恥を知れ発言」に対しては「強い口調の『恥を知れ!』は、ニュースの見出しになりやすいし、必ずや世間の耳目を集めると確信していました。なぜこのような発言を、あえてしたのか。それは世間の皆さんに、安芸高田市に注目してもらいたかったから」(69ページ)と述べている。

 自身の発言がネットで注目を集め、安芸高田市の公式YouTubeチャンネルの登録者数は当時26万人を突破。「(動画)視聴による広告収益は月々200万~300万円」になり、市の事業である「次世代を担う児童生徒の教育活動」に充てることができたという(104~105ページ)。

 そのほか、地方の活性化に不可欠な「東京一極集中化の解消」に向けて「東京都がリーダーとなって全国の地方自治体と連携し、日本の人口動態をコントロールしていく」必要性を強調している(150ページ)。

 本書には時折、アニメやマンガ作品の「君の名は。」「鬼滅の刃」「新世紀エヴァンゲリオン」への言及(41、120~121、139ページ)があり、石丸氏のアニメ・マンガ好きも垣間見える。