北陸新幹線が福井・敦賀に延伸開業して3月16日で1年を迎える。福井県は、弁当販売を手がける崎陽軒(横浜市)とコラボレーションした開業1周年記念弁当「ふくい名水サーモン炒飯弁当」を開発。崎陽軒が神奈川・東京エリアを中心に期間限定で販売する。
福井県は開業前の2022年7月、食材を通じて県の魅力を首都圏でアピールしようと、「シウマイ弁当」などを展開する崎陽軒と相互協力協定を締結。これまでに「福笑御膳」(23年)、「開業記念弁当」(24年)といった商品を販売してきた。今回はコラボ弁当第3弾で、崎陽軒で人気がある「炒飯弁当」に福井の食材を盛り込んでアレンジした。
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▽「へしこ」と「シウマイ」が“同居”
「ふくい名水サーモン」は、福井県を流れる九頭竜川源流の名水で育てられたサーモンで、コラボ弁当ではチャーハンとして味わうことができる。このほか、サバなどを塩漬けし、ぬか漬けにして熟成させた福井の伝統料理「へしこ」を入れたポテトサラダや、郷土料理の煮豆を入れ、崎陽軒の定番「シウマイ」も盛り込んだ。包み紙(掛け紙)には、日本での恐竜化石産出地として知られる県のシンボル・恐竜のイラストをあしらった。
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横浜駅に近い崎陽軒本店で2月26日に開いた発表会で、崎陽軒の野並晃社長は「第3弾を出すことができたのは、これまでの取り組みを評価されたからだと思う。協力協定を通じて崎陽軒としても新しいチャレンジができる」と話した。
▽新幹線効果で県外客増加
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福井県の杉本達治知事はビデオメッセージで「新幹線開業で関東圏からは多くの人が訪れ、県立恐竜博物館は入館者が3割増えた」と“新幹線効果”を説明した。県によると、開業からの10カ月で前年比118.5%の来訪者があり、関東圏からは136.3%と大きく増加したという。
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発表会の最後に福井県東京事務所の萩原雅広所長は「福井県は幸福度ランキングで12年連続日本一になったが、これまで県民の評価は追いついていなかった。新幹線開業で県民も自信を持って他県の人にお薦めできると思う」と今後の効果に期待を寄せた。
▽崎陽軒「福井フェア」も開催
「北陸新幹線 福井・敦賀開業1周年記念 ふくい名水サーモン炒飯弁当」は、税込み1200円。3月7日から16日まで神奈川・東京の崎陽軒直営22店で店頭販売するほか、予約販売も行う。このほか、崎陽軒の「おうちで駅弁シリーズ」として、同商品の冷凍弁当(同830円)も3月31日まで通信販売。3月1~31日は「福井フェア」として、ロードサイドの店舗と通信販売で崎陽軒がセレクトした福井県の名産品を販売し、開業1周年を盛り上げる。
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