男女格差の現状を各国の統計をもとに評価した「ジェンダーギャップ指数」。日本はいくつかの分野でスコアがかなり低く、その順位は毎年、世界の中で下位に沈んでいる。東京都も、女性のキャリアアップ、家庭と仕事の両立などの面でさまざまな施策に取り組んできたが、都内企業の女性管理職の割合は1割程度にとどまっている。このような中、東京都は今年1月に「東京女性未来フォーラム」を開催。女性活躍・ダイバーシティ経営の推進に向けた共同宣言が行われ、参画企業とともに「東京女性リーダーズ応援ネットワーク」を設立し、女性の活躍促進に向けてさまざまな取り組みを展開している。
その一環として今年7月から10月にかけて、4回講座から成る「女性リーダー育成プログラム」の第1クールを実施した。現在、11月26日(火)にスタートする第2クールの参加者を募集している。
11月26日(火)・12月17日(火)・2025年1月30日(木)・2月27日(木)の全4回で、参加費無料。会場は、「はたらく女性スクエア」(東京都渋谷区神宮前5-53-67)。時間は各日13時30分~17時。対象は、都内企業に在籍し、リーダーを目指す女性、キャリアアップに関心のある女性。現在管理職の女性も申し込みできる。参加に当たっては、所属する企業が「東京女性未来フォーラム共同宣言」に賛同していることが条件となる。第1クールの参加者も申し込みできる。
原則、4回とも参加できることが望ましいが、参加ができない日がある場合は、申し込みページで参加可能な日程のみ選択して申し込む。応募者多数の場合は、全4回参加できる人を優先に受け付ける場合がある。定員は各回30人。
講師は、株式会社プラウド(東京・兵庫県芦屋市)代表取締役社長の山本幸美氏。仕事と人生の両方を豊かにし、変化の激しい時代に活躍していく女性リーダーを育成すべく、現在の社会状況や求められるリーダー像を踏まえ、女性リーダーとして一生使えるマインドセットやスキルセットを学ぶための講義を行う。また、対話やワークショップを通して、変化の激しい時代に成果を出し、活躍していけるリーダー像を探る。
最終回の第4回には、3回までの振り返りを行い、それぞれが目指すリーダー像を語る決意表明の時間も用意。第1クールでは、「自分自身が生き生きと、親しみやすいリーダー」「スタッフを幸せにできるリーダー」などのリーダー像が語られた。リーダーを目指す女性たちからは、「最初はリーダーを目指せるか不安だったけれど、1つ1つメソッドを教えてもらい、リーダーを目指す仲間と意見交換をする中で、少しずつ自信がわいてきた」「いろいろな企業からの参加者がいて、意見交換の場が非常に役立った」などの感想が寄せられた。また、現在リーダーの立場にある女性たちは、「自分がリーダーにふさわしいか自信が持てない部分が大きかったが、改善ポイントを見つけたい」「若い皆さんが、とても楽しそうに志高く、さまざまな思いを言葉にする様子を見ることができ、大変心強く思った」などと話した。
山本氏は、「女性活躍推進策は、ほとんどの企業・自治体で取り組んでいるが、まだまだ道半ば。女性のリーダー意識がまだ定まらないといった悩みがあるのが現状。女性たちには、今のスキル、今の立ち位置より、もっともっと素晴らしい未来があり、伸びしろがたくさんある。自身の可能性を狭めずに、未来に向かっていろんなことをチャレンジして、失敗もして乗り越えて強くなっていただければ」と、働く女性たちにエールを送る。
東京都産業労働局総務部企画調整課は、「キャリアアップを目指す方や、管理職になりたいが社内にロールモデルがいない方、すでに管理職だけれども、ちょっと悩みがある方にもご参加いただいている。会社を超えたつながりの中で切磋琢磨(せっさたくま)していただくことで自信や実力をつけていただき、ご自身の世界を広げていく場として活用していただきたい」と参加を呼び掛けている。