おでかけ

ロマンあふれる金唐紙の世界を楽しむ 都立旧岩崎邸庭園で開催

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洋館2階婦人客室

 豪華で優雅な気持ちに浸れる展示が、国指定重要文化財の都立旧岩崎邸庭園(東京都公園協会)で開かれる。「旧岩崎邸で楽しむ金唐紙(きんからかみ)の世界」。12月17日~来年1月15日まで。洋館2階に、金唐革紙という貴重な壁紙が貼られた客室があり、これに焦点をあてた展示だ。

旧岩崎邸庭園洋館
旧岩崎邸庭園洋館

 昭和60年頃から実施されてきた、各地の重要文化財復元の際に使用された金唐紙の絵柄を展示する。金唐紙の技術を用いた絵画を施した額絵やパネル、茶席で使用される風炉先(ふろさき)屏風(びょうぶ)なども展示される。

過去の衝立展示の様子
過去の衝立展示の様子

 そもそも金唐革紙は、ヨーロッパにおいて動物の革で作られていた金唐革を和紙で再現したもの。明治時代には欧米で高い評価を得、日本の芸術産業として輸出も盛んに行われたというが、昭和初期には新技術の登場や需要の減少によって衰退。昭和の終わりごろ、文化財関係の美術印刷を手がけていた上田尚氏(金唐紙研究所 代表)が復元に成功。一度失われた「金唐革紙」から、あらためて蘇ったという意味を込め、「金唐紙」と呼んでいるのだそうだ。