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「読んだらバーに行きたくなる」 元バレーボール佐々木太一さんが「ウイスキー1年目の教科書」出版記念トークショー

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 「どれがウイスキーなんでしょうか?」
 バーで注文しようとする、若い女性が描かれた表紙。『絵とマンガでわかる ウイスキー1年目の教科書』(KADOKAWA、税込1870円)は、元バレーボール日本代表からマスター・オブ・ウイスキーに転身した佐々木太一さんが、ウイスキー初心者向けに手掛けた本だ。

 グランフロント大阪(大阪市)ナレッジキャピタルの「サントリー・ウイスキー・ハウス」で開催された出版記念トークショーに現れた佐々木太一さん。

 身長194センチのセンター。大学在学中に日本代表に選出され、94年サントリー入社後も活躍した。2005年まで12シーズンを戦い、引退。そこから営業職へ。ウイスキーとの出会いは、会社の立ち上げた「ウイスキーアンバサダー」制度の第1期生に選抜されたことだった。
 「時はウイスキー市場のどん底時代。ウイスキーを語っていく人間を育成しようというもので、案の定ウイスキーにハマっていきました」
 さらに、ウイスキーコニサーという資格の存在を知った。エキスパート、プロフェッショナル、マスターの3段階があり、最上級のマスター資格は未開催だった。
 「開催がまだなのであれば、(受験して)1番になれば、(自分が)1番(になれる)」との思いで、がむしゃらに勉強。2011年に、初代マスター資格(マスター・オブ・ウイスキー)を取得した。

 ウイスキーの伝道師となった佐々木さんが「ウイスキー1年目の教科書」を執筆することになったのは、「簡単に読める本を作りたい」という思いからだった。「歓送迎会で居酒屋に行って、ハイボールを飲むと思う。でもバーには行ったことがない。そういう方々をバーに誘導したかった」
 既存のウイスキー本の主流は、大人ダンディーな風格漂う「黒い本」。そこで、マンガを挿入してストーリー性を持たせ、初心者や若い女性でも読みやすい体裁にした。「マンガの中に本人(佐々木さん)が出てくる。あんまり格好良くしないでくれと言いました。変化するキャラクターを見てほしい」
 もちろん、スコットランドの蒸留所訪問レポートなど、本職のウイスキー啓発活動にまつわる知識や経験に基づいた、本格的なコラムも盛り込まれている。
 「作り、ラベル、ビン、歴史でもいい。そっちに入っていただいたら、もっとウイスキーが面白くなってくる。多方面的に見てほしい」と願いを込めた。