カルチャー

獲物に近寄る方法から薬草軟こうの作り方まで ネイティブアメリカンのフルサバイバル術

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 さまざまな種類のマシンに囲まれて生きる現代。多少なりとも“生きもの”としての感覚を取り戻したいと自然の中に身を置く休暇をとったとしても、せいぜい森林浴とかダイビングあたり。「原始の感覚」にはほど遠いお遊び、サバイバルという言葉はフィクションの中だ。そこで現代人が忘れてしまった感覚を取り戻すための一冊、『ワイルド・クエスト-ネイティブアメリカンのフルサバイバル術』(WILD AND NATIVE 川口拓著、誠文堂新光社・東京、税込み2750円)が6月13日に発売される。

 ネイティブアメリカンには、「サバイバル技術とは自然と戦うことではなく、自然に生かしてもらうことだ」という教えがあった。自然から発せられるさまざまな情報を受け取れるよう、トレーニングを積んで感覚の感度を高め、ハンティングや寝床の確保、病気の治療など、生活のあらゆる場面でその感覚を利用していたという。

 この本では、その感覚トレーニングの紹介に多くのページを割いた。普段の生活の中で見過ごしてしまう情報や価値に気づく力を養うためだ。打製石器の作り方や獲物に近寄る方法、薬草軟こうの作り方など、読んでいるだけでもちょっと面白そうな項目が並んでいるが、最終的にはいっさい道具を持たずにサバイバルできる、フルサバイバル術の紹介だ。