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生理用ナプキンの無料提供設備を設置 京都市の小中、高校で試行

生理用ナプキンの無料提供設備を設置 京都市の小中、高校で試行 画像1
西京高校附属中学校に設置された「OiTr」

 

 京都市、龍谷大(京都市)、生理用ナプキン無料配布サービスを提供するオイテル(東京都新宿区)の3者はこのほど、オイテルの機器「OiTr(オイテル)」を学校向けに改良し、京都市内の東山泉小中学校(東山区)、西京高校附属中学校(中京区)、西京高校(中京区)3校に、試行的に設置した。「OiTr」の公立校への設置は全国初。

 「OiTr」は、商業施設やオフィス、公共施設などの個室トイレに設置し、生理用ナプキンを無料で提供する機器。機器に組み込まれたデジタルサイネージ(電子掲示板)に広告動画が表示され、その広告費でナプキンなどの費用が賄われる仕組み。電子掲示板には、月経に関する知識や情報など、教育的コンテンツも配信される。通常の「OiTr」では、専用のスマートフォンアプリが必要だが、今回は学校向けにアプリなしで受け取れるよう改良された。

 今回の取り組みは、千葉県で行われた中高生への調査や、龍谷大の学生への聞き取り調査で、「生理は人によっても重さが異なるため、親にも相談しにくい」「生理について情報が少ない、知らない」などの意見が寄せられたため、龍谷大は京都市教育委員会やオイテルと協議し実施を決めたという。

 龍谷大は2020年11月に学生が発表したビジネスアイデア「生理に関する正しい情報発信」をきっかけに、21年6月、学内組織の「ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター」で「生理の貧困」の解決に向けた取り組みを開始。オイテルと「ジェンダーギャップ・経済的格差の解消に向けた取り組みを推進する連携協定」を締結し、学内に「OiTr」設置や正しい情報を伝える啓発コンテンツの開発、配信を行ってきたという。

 今回のナプキン配布の試行について、龍谷大ら3者は「『OiTr』の運用状況や関係者への聞き取りなども踏まえ、月経などに悩む児童生徒への効果的な支援を進めていく」としている。