カルチャー

“被爆瓶”を触れられるアートへ 長崎市で「祈りの花瓶展2023―ナガサキを忘れない―」

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 原爆の熱風で変形した“被爆瓶”を3Dスキャンし、長崎県波佐見町付近で作られる「波佐見焼」で精密に再現した「祈りの花瓶」。被爆から78年を迎える今年の夏、長崎市の「Tol.GALLERY」(長崎市浜口町3-11、BILL&BEN 2F)で、78個の祈りの花瓶の展示会が開催される。8月4日(金)・5日(土)・6日(日)・9日(水)・11日(金)・12日(土)・13日(日)の11時~19時(最終日は18時まで、9日のみ10時~18時まで)。入場無料。

 かつて長崎に投下された原爆について、1人でも多くの人に知ってもらい、世界の平和を祈ることを願う「Vase to Pray Project」。小さな頃から平和学習や被爆遺構が身近にあり、祖母から当時の話を聞いて育った長崎生まれの被爆三世、アートディレクター・デザイナーの毎熊那々恵氏。毎熊氏が、被爆地では当たり前だった8月9日の黙とうのサイレンが東京では鳴らないことに違和感を持ったことがきっかけで、若い世代に戦争や原爆について知るきっかけを作りたいと、プロジェクトをスタートさせた。

 展示会では、祈りの花瓶に自由に触れることができる。入り口で配られる生花を1本、手に取って祈りの花瓶に生けてみよう。

 「祈りの花瓶」は、Tol.GALLERYのECサイトで購入できるほか、展示会開催中は会場近隣のカフェ・雑貨店などでも販売する(8月1日~13日)。販売の収益は、海外での「祈りの花瓶展」開催を目指す今後の活動費に充てられる。