カルチャー

争いをつくらない想像力  『もしもねこがそらをとべたら』

 分断と対立が世界のあちこちで進む昨今。平和を考える方法は多様だがそれだけ難しい。でも「みんなと仲良く」という子どもの頃の“手法”はどこへ行ったのだろう?『もしもねこがそらをとべたら』(黒田征太郎、西島三重子著、NHK出版・東京、税込み1980円)という絵本が発売された。豊かに想像する心が他者との関わりや思いやる気持ちを刺激してくれる、優しさと想像力あふれる猫の絵本。発売を記念した原画展やイベントも開催される。

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 もしも猫が空を飛べたら、海を泳げたら。猫は楽しいけれど、猫が天敵の小鳥や魚にとっては迷惑な話かもしれない。どうすれば、猫は鳥や魚たちと争わずに仲良く過ごせるだろう? 混迷を極めるロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの対立など、世界中で争いが絶えない中、「命の重さ、等しさ」への思いを抱き共鳴する著者二人が、反戦・平和への願いを込めながら、ねこと社会との関わりをユーモアも交えながら描いた絵本だ。

 福岡の書店・ブックスキューブリック箱崎店2階のギャラリーでは、『もしもねこがそらをとべたら』の原画展を開催。3月22日には、黒田氏のトークイベントもある。sub7