若冲ファンにうれしいニュースだ。12万の升目からなる伊藤若冲の幻の大作、「釈迦十六羅漢図屏風」が、最先端のデジタル技術と学術的知見の融合で現代によみがえった(TOPPAN・東京)。焼失した可能性が高く、白黒で残された作品の図版画像からの復元。「デジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS(R)(コイシカワ クロス)」のEXHIBITION ROOMで10月から週末限定で一般公開するほか、8月24、25日に限定先行公開も実施される。
白黒で残されたこの作品の図版画像を高精細にスキャニング、子細な調査により色を推定し、特殊な印刷技法を用いることで、従来の複製絵画などでは難しかった立体的な表現まで再現し制作した。
釈迦十六羅漢図屏風は、「枡(ます)目描き」という特徴的な画法が用いられた作品の一つ。現在行方不明とされているが焼失した可能性が高く、当時の白黒の図版(288mm×88mm)のみがその姿を今日に伝えている。今回、この白黒写真をもとに、日本美術史家の山下裕二氏(明治学院大学教授)と、荒井経氏(東京藝術大学教授)の監修のもと、デジタル推定復元を行った。
8月24日、25日の一般向け限定先行公開は、1日3回(13時30分~/15時~/16時30分~)の各回入れ替え制で、定員は各回12人。観覧料金は500円(「印刷博物館」の入場料が別途必要)。オンラインによる事前予約制で、8月8日から予約フォームで受け付け開始する。