フィクションの世界でも、リアルに描かれているものを分析すると見えてくるものは多い。日本トップクラスの軍事専門家がアニメ・特撮の戦争を語った新書『ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」』(文藝春秋)が2025年1月17日に発売される。
ウクライナ戦争についての著書なども多い東京大学先端科学技術研究センター准教授の小泉悠氏、防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏、朝日新聞記者の太田啓之氏、そしてドイツ出身で日本に住むマライ・メントライン氏が語り手。
「『機動警察パトレイバー』首都防空通信は実際に自衛官の目にどう映ったのか」「『新世紀エヴァンゲリオン』の世界ではソ連は崩壊していない」「『風の谷のナウシカ』のバカガラスはナチスドイツで開発されたギガントと同様の運用がなされている」「『宇宙戦艦ヤマト』の多層式航宙母艦の運用構想は、日本海軍の三段式時代の空母『赤城』と同じなのか」「『シン・ゴジラ』で使用が検討される核兵器は、名前が違う?」など、知識がなくても現実と仮想の境目がしっかり見えてきそうで興味深い一冊だ。税込み1243円。