カルチャー

“白いロマンスカー”として親しまれた「VSE」の展示決定 日付限定で運転席に座れる企画も

運行終了時の様子

 バブル経済の崩壊で訪れる人が減っていた箱根に人を呼び戻そうと、2005年にデビューした小田急電鉄(東京)の“白いロマンスカー”、ロマンスカー・VSE(50000形)が、2026年3月下旬から神奈川県海老名市の「ロマンスカーミュージアム」で展示されることになった。車掌室での扉の開閉やアナウンスなどができる体験型イベントも予定されている。

 約18年間活躍した白いロマンスカー。延べ走行キロは計2編成の合計で約623万キロ、延べ乗車人数は約2000万人。2023年12月が最終運行だった。展示では、運転席を含む展望車両をロマンスカーギャラリー奧の中央に配置し、車内を歩きながら見ることができるような見学ルートを設定する。車両の横に新設する階段を上がり、展望席付近にある非常用扉から乗車して、車両連結部にある車掌室を通り抜けて降車するルートで、VSEならではの高いドーム型の天井や、沿線風景を楽しめるように角度を付けて設置した座席など、その特長をゆっくり間近に見ることができる。

 また、“VSEの乗務員になれる”日付限定の体験型イベントも検討中という。電動はしごを展開して運転席に上りVSE運転士目線を体験したり、車掌室では扉の開閉やアナウンスを体験したりすることができる。ロマンスカー乗務員が従前着用していた専用制服のレプリカも貸し出されるという。

 同ミュージアムは、展示に先立ち2026年2月下旬から3月下旬までは、VSE搬入に伴う工事と館内整備を実施するため休館になる。