そろそろお花見の話題が出る時期。コロナ禍を境に忘年、新年会や花見など職場の“飲み会”は減少傾向だが、それでも「みんなで飲みたい」“昭和な”上司はあちこちにいる。「どうしてだろう?」という疑問に、角川新書の『「酔っぱらい」たちの日本近代』(税込み1034円)が答えてくれるかもしれない。『夜更かしの社会史』(共編著・吉川弘文館)など、人々の暮らしの断片に着目してきた気鋭の社会学者、右田裕規氏がひもとく話題の近代秘史。続々重版が決定している。
上司はなぜ決まって部下と花見をしたがるのか? 新年会、納会は業務のうちなのか?こうした話題が出るほど「仕事」と「飲酒」は、日本社会において奇妙な結びつきを持ってきた。その起源は決して古いものではなく、近世ではむしろ昼酒が常とされ、祝祭日には酔いつぶれることが「マナー」とされたり、時に酔って暴れることすらも許容されていたりした時代があった。明治以降、人々は決まって夜に飲み、しらふを装い、終電で帰るようになったという。なぜ都市労働者たちは飲酒を規制し、それでいて好んで杯を重ねるのか。
「今日は花金」「一杯くらい飲めないと」「絶対に終電で帰る」といった飲酒にまつわる価値観の起源にせまる内容が、読み手を引きつけている。










