滋賀県農業技術振興センター(滋賀県近江八幡市)が開発育成した近江米新品種「きらみずき」がこのほど発売された。JAの通販サイト「JAタウン」などで購入できる。スーパーなどでは2023年11月下旬から販売する。
きらみずきは、大粒でしっかりとした食感やすっきりとしたみずみずしい甘さが特長。またかむほどに甘さが広がるという。
栽培上の特徴は、農薬や化学肥料の使用を極力排した「厳しい栽培基準」を設けた点という。このような厳しい栽培基準を設けたおコメであることから、未来の近江米の主力品種になると期待されている。
きらみずきは、2013年登場の「みずかがみ」以来、10年ぶりとなる近江米新品種。近年、風や長雨、高温の影響でコメの収量や品質が低下する例が増えていることから、同県の農業技術振興センターは、さまざまな気象条件でも安定して栽培できる新品種としてきらみずきを開発した。生産者は「最近のおコメコンテストの状況から見ても、現代の若い人にはかみ応えのあるおコメが好まれる傾向にあるので、きらみずきは時代に合うと思う。生育が良く、根っこをしっかり張る強い品種なので、オーガニックでも育てやすい」とコメントしている。
きらみずきの店頭販売は、2023年度中は滋賀県内が中心だが、24年度以降は、きらみずきの作付面積を500ヘクタールに拡大し、京阪神や首都圏でも行う。滋賀県などは今年度、きらみずきの発売を記念したさまざまな販促活動を予定しており、11月23日には、滋賀県守山市のモリーブセントラルコートできらみずきのおにぎりを振る舞うなどして発売をPRするイベントが行われる。