ご多分に漏れず、オリーブオイルの値段も高騰している。多くの輸入品が食卓に欠かせない昨今、為替は国産品に目が向くきっかけの一つにはなるけれど、オリーブオイルの純国産品は1%未満だ。イタリアで自社オリーブ農園を営む「地域をつなぐ」(静岡県浜松市)は9月29日(日)と10月14日(月・祝)に、静岡県内で収穫されるオリーブの搾油を実施する。今年は豊作だそうだ。実施場所は、同県袋井市の静岡県オリーブ普及協会。
農家から持ち込まれる果実を搾油機へ投入してから搾油まで、約90分。一番大切なのは「練り」だという。オリーブ果実をペースト状にしてオイルを抽出しやすくする行程だ。長時間練るとオイル分が多くとれて歩留まりがよくなる反面、栄養価は低くなる。搾油量にして約2倍も違うのだそうだ。だが、歩留まりを優先しすぎると品質が下がる。そのバランスをとりながら、「おいしい純国産品」を目指しているという。
日本のオリーブ農家の数やその収穫量は少なく、優れた搾油技術を持つ職人を育てる環境はなかなか厳しい。農家から持ち込まれる果実の状態が悪く、大半を廃棄せざるを得なかったり、量自体が少なく、本来は別々に搾油する果実を混在させて搾油せざるを得ず、良質なオイルをつくることが難しいこともあったが、今では果実の質・量ともに安定してきたという。
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