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年収の壁解消なら働く時間増やしたい パート女性の67.4%が収入増に意欲

 所得税の非課税枠の最低ライン、いわゆる「年収103万円の壁」を160万円に引き上げる税制改正関連法案が衆議院を通過した。「現在の就業状況および今後の就業意向を把握するインターネットアンケート調査」(野村総合研究所・東京)によると、「就業調整」する配偶者のいるパート女性67.4%が、「年収の壁」が解消されれば「今より働く時間を増やして収入を増やしたい」と回答している。

 1月31日~2月1日にかけて、パートもしくはアルバイトとして働く20~69歳の有配偶者の女性3090人を対象に調査を実施した。自ら社会保険料を支払うことなどによる手取り収入の減少を避けるため、年収が一定額以下になるよう就業時間や日数を減らす「就業調整」を行っている人が少なくなかったが、これが人手不足をより深刻化させ、経済成長の抑制につながっている可能性があると議論されてきた。
政策議論が大詰めを迎えた中での調査で、今後、「年収の壁」の引上げや廃止が実現された場合、「今より働く時間を増やして年収を増やしたいと思うか」と聞いたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計が67.4%に。一方、「今より時給の高い仕事や職場に転職したいと思うか」と聞いたところ、自給の高い仕事に転職したいと考えている人は48.1%(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)だった。また、今より働く時間を増やして年収を増やしたいと回答した人に、「今よりいくら増えるように働きたいか」と聞いたところ、「20万円以上」と回答した人が44.9%にのぼった。

 調査を実施した野村総合研究所は、この結果を踏まえると、時給は一定と仮定しても、働く時間を増やして年収を20万円増やしたとすると、2割の収入増の実現に加えて、2割の就業時間の延長すなわち追加労働力の確保の実現が期待できるとしている。