伝統工芸品ECサイト「BECOS」(KAZAANA・東京)はこのほど、「近野明裕|土湯伝統こけし」の取り扱いをスタートした。古き良き匠の技を守りつつ、現代のライフスタイルにもなじむデザインが魅力のこけしで、リビングなど、憩いの空間のインテリアにも適している。
福島県の土湯は、宮城県の遠刈田や鳴子と並ぶ、三大こけしの発祥地。「土湯こけし」は、頭が小さく胴体は細め。「クジラ目」と呼ばれる切れ長の二重まぶたで、優しく見守っているような独特の表情と、素朴な色合いが特徴。ろくろの回転で生じる熱を利用して頭部を胴にはめ込むため、頭を回すとキーキーと愛らしい音が出る。頭頂部には「蛇の目」と呼ばれる黒い輪があり、前髪の両側には赤い髪飾り「かせ」があしらわれている。胴にはろくろの回転を利用して赤、黄、緑の横しま模様が描かれている。
伝統こけし工人(こうじん=職人)の近野明裕氏は、江戸時代から続く土湯こけしの伝統を受け継ぎ、一つ一つ心を込めて作品を製作。こけしの顔は夜、気持ちを落ち着かせて描くため一晩に8個が限度だが、やりがいと楽しさを感じながらこけし作りに励んでいるという。
アイテム一例の「大正時代風こけし(6寸) イエロー」(税込み1万7600円)は、大正時代の女性をイメージした、優しく見守るような表情と、猫を手元に抱くオリジナルデザイン。江戸時代から続く伝統技法で仕上げている。「蒔絵こけし(6寸) 梅模様」(同2万2000円)は、土湯こけしに福島県の工芸品「会津蒔絵」を施したコラボ商品。胴の部分に花咲く梅の枝を描いている。