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50~60代男女の約5割が「そもそも仕事が見つかるか」が不安 「“不安”と“働く上での希望”に関する実態調査」

働くことにおいて「不安」を感じていることは?

 人材総合サービスのスタッフサービス・ホールディングス(東京)は、電通シニアラボ(東京)と共同で、「“不安”と“働く上での希望”に関する実態調査」を実施した。2月22日~27日にかけて行った調査で、全国在住の50~69歳男女の回答7万サンプルを抽出。その中から50~69歳のサンプル2000人分を抽出し、10歳刻みの男女別のデータを確認・分析した。

 少子高齢化の進行に伴い、さまざまな分野で人手不足が深刻化する中、注目を浴びているのが50~60代の労働力。今や全就業者中の60代以上の人々の割合は2割を超えており、50~60代が意欲と能力に応じて年齢に関わりなく働き続けられる“生涯現役社会”の実現に向けた取り組みが多方面で活発化している。今回、この世代を対象に、働くことへの不安や価値観を把握すべく多様な観点から年代・性別ごとにランキング形式で分析を行った。

 まず、この年代の全体を見ると、「今の不安」(複数回答)については「自分の健康」が58.5%で最も高く、次いで「体力の衰え」50.5%、「生活資金」48.4%が上位だった。「働くことにおいての不安」は、「そもそも仕事が見つかるか」が45.5%で最も高く、次いで「労働に見合う体力の持続ができるか」39.0%、「自分がやりたい仕事が見つかるか」34.6%が上位だった。

 これについて男女・年代別に見ると、50代女性の「自分の健康」64.4%が最も高かった。50代女性は、5位まですべての項目について半数以上が回答しており、全般的な不安感が強いことがうかがえた。一方、50代男性では、「収入」56.6%で、50代女性・60代男女と比較して最も高かった。

 希望する働き方は、全体では「パートタイムで働ける」が43.0%と最も高く、次いで「希望する勤務地で働ける」41.5%、「何歳になっても働くことができる」40.4%と続いた。男女・年代別では、50代男性は「フルタイムで働ける」が56.4%と過半数、60代男性では、50代男女・60代女性ではランクインしなかった「働く時間を自由に選べる」が34.8%と表出した。50代女性は「休暇を取りやすい」が53.4%と過半数を超え、60代女性は、「何歳になっても働くことができる」49.2%で、50代男女・60代男性と比較して最も高い結果になった。

 「就職・転職先の仕事に求めるもの」は、「生活費を賄える収入」が64.9%で最も高く、次いで「趣味や娯楽に使える収入」45.3%、「職場の人間関係がよい」39.5%といった項目が上位だった。男女・年代別では、60代女性は、「働くことによる健康の維持」を挙げた人が48.8%となり、50代男女・60代男性と比較して最も高かった。

 「何歳まで働きたいか」は、「65~69歳」が23.5%で最も高く、「70~74歳」16.9%、「60~64歳」と「体力の続く限り、何歳まででも働きたい」が同率で16.8%だった。これは、50代・60代で性別問わず傾向が一致していた。

 分析結果を受け、スタッフサービス・ホールディングスでは、「“人生100年時代”といわれるようになって久しい現在、さまざまなデジタルツールやAIなどの登場により、人々の働き方や働く目的、希望は多様化している。一方で、超高齢化が進む日本においてはさまざまな社会課題が顕在化してきており、50代以上の人たち(エルダー)が引き続き活躍できる環境の整備が重要。働く意欲のある人たちがどのような不安を感じており、何を求めて働いているのかにしっかりと耳を傾け、少しでも長く働き続けたいと思える職場環境、社会をますます整えていくことが大切だ」と指摘している。

※スタッフサービス・ホールディングス/電通シニアラボ調べ

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