小学生野球の高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは19日、神宮球場などで3回戦が行われ、昨年優勝の新家スターズ(大阪)が9-1で船橋フェニックス(東京)を破り、準々決勝進出を決めた。
5度目の出場の豊上ジュニアーズ(千葉)は6-2で大津西スポーツ少年団(徳島)に勝ち、2年ぶりとなる8強進出。
決勝は22日に神宮球場で開催される。
【8月19日:駒沢球場で行われた各試合のリポート】
▽新家スターズ(大阪)9-1船橋フェニックス(東京)
「大きな動物と小さな動物の戦い」
昨年優勝の新家スターズが関東の強豪、船橋フェニックスを投打に圧倒して準々決勝に進出した。
新家スターズの千代松剛史監督は「大きな動物と小さな動物の戦い」と試合を振り返った。強打で知られる相手をパワーのある大型動物に、自分たちを小さな動物に例え「スピードでかく乱する」という意味だという。
新家スターズは、常に先の塁をうかがう走塁で相手のミスを誘い、一、二回とも狙い通り悪送球で得点した。走るだけでなく二回は単打ばかりの3連打があり、4四死球も選んで打者一巡を記録。試合の流れを決めた。
2安打1四球で、好走塁を見せて2度ホームを踏んだ藤田凰介は「調子が良かった」と会心の攻撃に気持ちよさそうだった。千代松監督は狙い通りの勝利に手応えを感じつつも「うまくいき過ぎた」と選手の力に驚いていた。(野村春輝)
▽豊上ジュニアーズ(千葉)6-2大津西スポーツ少年団(徳島)
髙橋が3試合連続の先制打
豊上ジュニアーズは4番の高橋嶺斗が2安打などで4打点を挙げ、ベスト8進出に大きく貢献した。一回は1死一、二塁から重盗で二、三塁と広げたチャンスで先制の中犠飛を放った。これが3試合連続の先制打。三回には左前適時打、五回にも無死満塁で中前に2点適時打を打ち返した。
髙橋は2本の適時打について「インコース低めのボール。相手の守備位置を見てどうすればいいか考えていた」と振り返り、チャンスの場面で正確なバットコントロールが光った。「きれいなレベルスイングをする」と高野範哉監督が絶賛するが、今年の春までは補欠だった。普段の練習から投球の軌道で打ち方を変えるなど器用さを生かした工夫が実って中軸に座るようになった。目標とする選手は卓越した打撃センスを誇るソフトバンクの近藤健介だ。
次戦は昨年優勝の新家スターズ(大阪)とベスト4を懸けて戦う。高野監督は「ミスなく、バッティングがはまってくれればいい勝負になる」と意気込んだ。(大谷侑生)