普通の着物ですら特別な日のものになりつつあるのに、十二単となると見る機会も少ない。国際文化理容美容専門学校(東京)は、創立70周年を記念して「十二單~襲ねの美」を5月11日(木)から14日(日)の4日間、東京・青山のスパイラルホールで開催する。また「十二單体験会」も開かれ、源氏物語のような世界を身近に感じることができる。
平安の女房装束、十二単は、千年の時を超えてもなおその姿をほとんど変えることなく皇室に受け継がれている。薄い衣を何枚も重ねることでえり元や袖口に美しい濃淡が生まれる。これは「襲(かさ)ね」と呼ばれ、日本人が好む四季の移ろいを表しているともいわれている。
イベントでは、日本の民謡・端唄や現代曲三味線の演奏者で、作曲家の本條秀太郎氏監修の音楽に合わせ、紅梅、紅葉といった、代表的な襲ねによる十二単のみやびな姿が披露される。たくさんの衣で20kg近い重さになるものを、たった一本のひもだけで押さえるという技術が見どころだ。