企画・監督・脚本、宮藤官九郎氏によるドラマ「季節のない街」(テレビ東京系)の第十話「とうちゃん」が、7日深夜に放送された。
本作は、黒澤明監督が『どですかでん』(70)として映画化したことでも知られる山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる街を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある街へと置き換え、現代の物語として再構築。街にやってきた主人公が住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく姿を描いていく。(*以下、ネタバレあり)
ショベルカーが街に搬入され、仮設の取り壊しが迫ってきた。徐々に立ち退き交渉に応じる住民が増えていく中、子だくさんの良太郎(塚地武雅)とみさお(前田敦子)の夫婦は断固拒否の姿勢を崩さなかったが、三木本(鶴見辰吾)らの嫌がらせを受けてしまう。
そして迎えた、街の最後の日、お別れ会の最中にかつ子(三浦透子)が良太郎の子どもたちに呼び出されると、そこには…。半助(池松壮亮)大暴れ、六ちゃん(濱田岳)も大暴れ、そしてかつ子は大笑い。季節のない街は一体どうなる!?
放送終了後、SNS上には、最終回を迎えて、「変わることは怖いけれど、環境が変わったらそれなりに人はしなやかに変わるのよね」「原作や映画よりだいぶハッピーに終わっていた」「カオスのまま終わっていった。これはフェスですね。退去フェス」「ドラマの展開が予定調和じゃなく、こちらの予想とは逆をついてくるところが面白かった」「寂しくて温かい最終回」といったコメントが上がった。
また、街の象徴だった大漁旗の行く末について、「皆が大漁旗をそれぞれ身につけて、別々の生活に溶け込んでいったのが胸熱。止まっていた時間が動き始めたんだね」「ユートピアってどこにもない。新しい人生を始めても、道であいさつをしなくても、大漁旗を身につけている。心の一番奥にあの場所がある」「大漁旗がスカーフ、かばん、マスク、ズボン、ネクタイになっていて泣ける」「仮設住宅にいた皆はもう新しい街で絡むことはないけど、大漁旗が皆の服装に少しずつ溶け込んでいた。決して忘れないということ。いい旅立ち」「大漁旗の切れ端を住民が身につけていたのもよかった。過去は知られたくないが、かといって全て忘れた訳でもない。半助はやっぱり短パンにしたのね」などのコメントが見られた。