1981年に榊原郁恵が初代ピーター・パンを演じてから44年目を迎えるミュージカル「ピーター・パン」。今年から新たにウェンディ役を鈴木梨央が演じる。5歳から芸能活動を開始し、大河ドラマ「八重の桜」や連続テレビ小説「あさが来た」に主人公の幼少期役などで出演し、注目を集めた鈴木。19年に「奇跡の人」で初舞台を踏んで以降は、舞台やミュージカルにもコンスタントに出演し、多方面で活躍している。鈴木にウェンディ役への思いや公演に向けた意気込みなどを聞いた。
-ウェンディを演じることが決まったときの心境から聞かせてください。
40年以上続いている伝統あるミュージカルに自分も参加させていただけると知ったときは素直にうれしかったです。これまで演じられてきた歴代の方々のウェンディ像を大切にしながらも、自分なりのウェンディを見つけていけたらという気持ちで、すごくお稽古が楽しみでした。
-今、鈴木さんが感じているウェンディはどのような人物なのですか。
ただ単にピーターに憧れを寄せているというだけでなく、弟たちの面倒をしっかり見るお姉ちゃんらしさもある女の子です。表情豊かで、喜怒哀楽がはっきりしているので、物語の中でもさまざまな顔を見せてくれます。思ったことは曲げない芯の強い部分も持っているので、そうしたところもしっかりと見せたいと思います。
-ウェンディに似ているところはありますか?
疑問に思ったことは分かるまで何度も聞くというところは似ているのかなと思います。
-現在(取材当時)、お稽古がスタートしたばかりだと聞いていますが、お稽古場の雰囲気はいかがですか。
すごく楽しくて、あっという間に時間が過ぎていってしまいます。(演出の長谷川)寧さんは、キャストたちのとても細かなところまでお芝居から感じ取ってくださる方です。お稽古中に「なんだかちょっと違うな」と私が感じるとすぐに気付いてくださって、そのときのウェンディの感情や動き方を分かりやすく、細かく教えてくださいます。寧さんの言葉で発見することだらけで、本当に楽しくお稽古させていただいています。
-ピーター・パン役の山崎玲奈さんの印象や、一緒にお稽古をして感じている魅力は?
目がキラキラしていて、ピーター・パンそのものだと思います。玲奈さんのフレッシュでエネルギーのある姿に稽古場ではいつも引っ張っていってもらっています。私は、初めてのウェンディで、大丈夫かなという不安もあったんですが、玲奈さんや(フック船長役の)小野田(龍之介)さんなど、温かい方たちばかりなので本当に助けられています。玲奈さんとは帰り道が一緒なので、稽古が終わった後もその日の稽古のことなどを話しながら一緒に帰っていたり、コミュニケーションをとる時間も長く持てているので、とても心強いです。