『モアナと伝説の海2』(12月6日公開)
モアナが壮大な冒険の末に故郷の島を救ってから3年。妹シメアが生まれて少し大人になったモアナは、愛する家族や島の仲間たちに囲まれながら、以前は禁じられていた海へと航海に繰り出す日々を送っていた。
ある日、「かつて人々は海でつながっていたが、人間を憎む神によって引き裂かれてしまった。海の果てにある島にたどり着けば呪いが解け、世界は再び一つになる」という伝説を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すため立ちあがることを決意。風と海をつかさどる半神半人のマウイや島の新たな仲間たちと共に、危険に満ちた冒険の旅に出る。
海に選ばれた少女モアナが繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメーション・スタジオによる長編ミュージカルアニメ『モアナと伝説の海』(16)の続編。
監督は、前作にストーリーアーティストとして参加したデイブ・デリック・Jr.。英語オリジナル版では前作と同じくハワイ出身のアウリー・クラバーリョがモアナを、元プロレスラーのアクションスター、ドウェイン・ジョンソンがマウイの声を演じ、日本語吹き替え版でも沖縄出身の屋比久知奈がモアナ役、歌舞伎俳優の尾上松也がマウイ役を続投している。
前作に続いて、南太平洋(ハワイ、サモア、タヒチ、ポリネシア…)に伝わる神話や伝説に創作を合体させ、新たな物語として構築している。こうした少女の成長物語はディズニーのおはこだけに、安心して見ることができるし、海、波などを違和感なく見せるアニメーション技術の水準の高さを改めて知らされる。
今回の見どころは、モアナとマウイと共に、島の歴史や神話に詳しく鋭い観察眼を持つモニ、天才肌の頼れる船大工のロト、植物を愛する料理担当の老人ケレが旅に参加するところ。
モアナの成長物語に加えて、仲間やチームワークの大切さという新たなテーマが加味された。音楽も、新曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」や、前作に続いてマウイが歌う陽気な「できるさ!チーフー!」など耳に残る曲が多い。
余談だが、トリックスター、マウイのキャラクターは、高見山、小錦、曙、武蔵丸ら、かつて大相撲を沸かせたハワイ出身の巨漢力士たちをほうふつとさせる。横綱は神のよりしろだと言われるが、彼らはもともと神の末裔(まつえい)だったのか…などと想像してみるのも楽しい。