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巨人・丸選手がドナルド・マクドナルド・ハウス訪問 患者、家族とキャッチボール交流

巨人の丸選手(中央)と大須賀さんの家族。丸選手の左が陽人君

 難病で入院、通院する子どもの家族が宿泊できる「ドナルド・マクドナルド・ハウス」への支援を続ける日本プロ野球選手会の理事長を務める巨人の丸佳浩選手が1月20日、施設の一つ「せたがやハウス」(東京都世田谷区)を訪問した。施設を利用する家族とも交流した丸選手は「初めて実際に見て、いかに大切な場所かを改めて理解した」と話した。

施設の利用家族が思いをつづったノートを手に取る丸選手

 「たくさんの方の思いがつづられ、胸が詰まる内容もあった」。宿泊部屋に置かれた利用者が自由に思いを記す小さなノートを手に丸選手が神妙につぶやいた。ドナルド・マクドナルド・ハウスは子どもを看病する家族が病院の近くで、1日1000円で宿泊できる。2024年11月時点で、世界48カ国・地域に390カ所、日本には12ハウスがある。国内第1号として01年にオープンしたせたがやハウスは国立成育医療研究センターに隣接しており、23室は常に満室に近い状態だという。

大須賀陽人君とキャッチボールをする丸選手

 家族が自分たちの食事を作る広い調理場や小さな子どもが遊べるスペースなどを見学した丸選手は、ハウスを利用中の家族と交流。千葉県から来ている中学2年の大須賀陽人君は、23年秋に肝臓の病気が見つかった。24年1月に移植手術を受けたが、最近になって転移が判明し放射線治療に取り組んでいる。「お父さん、お母さんと弟たちも近くにいられるので、つらくて不安な時でも安心でき体も楽になる」と話すと、丸選手は「ぼくも何度も大きなけがをしたけど、比べものにならないくらいのつらさだと思う。焦らず頑張ってほしい」と励ました。

今井英雄さん(左)、翔君(右)と記念撮影する丸選手

 父親の康博さんはじめ一家そろって巨人ファンだという話題になると、丸選手は「元気になったら東京ドームに来てね」と笑いかけた。新潟県の今井英雄さんは、中学1年の息子の翼君が近く手術を受けるという。この日は、弟の翔君が丸選手と記念撮影。丸選手は、大須賀さんや今井さんの子どもたちにサインボールをプレゼントし、キャッチボールで交流した。

 プロ野球選手会は40選手が支援に参加している。各選手が「1試合出場で1万円」「1盗塁阻止で1万円」などといった設定に応じて寄付金を拠出。今季は計約1150万円を贈った。「1安打につき1万円」の設定の丸選手は、通算2000安打にあと158に迫っていることもあり「1本でも多く打てば、それだけ貢献できる。今年のシーズンは158本以上打てればベスト。一つずつ積み重ねていきたい」と、目標を語った。