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4000字の物語が未来を拓く 「第23回坊っちゃん文学賞」が5月1日から作品募集

 愛媛県松山市が主催する「第23回坊っちゃん文学賞」が、2026年5月1日から作品の公募を開始する。公募運営事務局はパシフィックボイス(東京)。近代俳句の祖・正岡子規を育み、夏目漱石の小説『坊っちやん』の舞台となった「ことばと文学のまち」から、新たな才能を全国へと発信していく試みだ。昭和63年の創設以来、数々の作家を輩出してきた同賞は、現在ではショートショートの登竜門として確固たる地位を築いている。

 募集の対象となるのは、4000字以内のショートショート作品だ。テーマは自由で、日本語で書かれた未発表のオリジナル作品であれば、プロ・アマ、年齢、国籍を問わず誰でも挑戦できる。大賞1人には賞金50万円が贈られるほか、副賞として雑誌「ダ・ヴィンチ」への作品掲載という、書き手にとって大きなチャンスが約束されている。また、佳作5人への賞金10万円や、次世代を担う子どもたちのための「小学生特別賞」も設けられており、文学の門戸を広く開放しているのが特徴である。

 審査員長に現代ショートショートの旗手である田丸雅智氏を迎え、審査員には声優の大原さやか氏、映画監督の山戸結希氏という、表現の第一線で活躍する多彩な顔ぶれがそろった。さらに、松山市出身の白濱亜嵐氏がアンバサダーとして広報を担い、SNS等を通じて本賞を盛り上げる。前回の第22回には国内外から過去最多となる約9900点もの応募があり、短文表現への関心の高さがうかがえる。

 かつて本賞からは映画化された『がんばっていきまっしょい』(敷村良子作)などの名作が誕生し、受賞者が後に本屋大賞を手にするなど(『そして、バトンは渡された』19年・瀬尾まいこ作)、文学界に確かな足跡を残してきた。募集期間は2026年9月30日まで。公式サイトのフォームまたは郵送で応募を受け付ける。スマートフォン一つあれば執筆できる分量だ。あなたも眠っているアイデアを形にし、表現者としての第一歩を踏み出してみては。

これまでの「坊っちゃん文学賞」