社会

中小企業が変われば日本の未来も変わる!? アクサ生命保険が「日本の未来経済ポジティブ推計」

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 日本の企業の99.7%は中小企業で、企業雇用の7割を占めるという。中小企業を「健康経営」という視点から応援するアクサ生命(東京)は、中小企業がより働きやすくなった場合に未来がどのように良くなるかを推計する「中小企業990社から見える<日本の未来経済ポジティブ推計>」を公開した。

 

 同社が9月12日(月)にスタートさせた「健康経営アクサ式2022」キャンペーンの一環。同社が取り組む「健康経営」がもたらす“効果”をテーマに、健康経営を導入した中小企業の実例を紹介する公式サイトや、従業員の「やりがい効果」を描くWEBムービーを展開している。

 「健康経営アクサ式」とは、「同じ会社に集う従業員と経営者が身体的・精神的・社会的な健康づくりに取り組み、生き生きと働くことができる状態を生み出すことで、ワーク・エンゲージメントを高め、企業も永続的な成長に向かう」という発想が土台。中小企業の事業継続性という課題に加え、コロナ禍による社会全体の活力低下や孤立化などの新たな社会的課題も生じる中、健康管理や健康増進にとどまらない健康経営の在り方を提案している。

 中小企業990社の健康経営事例を収めた同社の「Voice Report」の集計結果では、82%の中小企業が健康経営の効果を実感しているという。この傾向値に基づき、個々の企業による効果の累積が、日本のさまざまな社会課題解決につながる可能性を推計したのが、「中小企業990社から見える<日本の未来経済ポジティブ推計>」だ。

 

 例えば「育休普及」や「残業削減」は、人員のやりくりが難しい中小企業では取り組みにくいというイメージも大きいが、もし進めることができたら? すべての中小企業で、「もし『育休』が普及したら、日本の労働力人口が62.8万人増加する」「もし『「残業削減』の取り組みが進んだら、出会いの増加により結婚率が2.5%上昇し、最大20兆円の経済効果」「もし『15分のお昼寝』を導入したら、業務効率の向上などにより日本のGDPが2.2兆円上がる」「もし『禁煙』を支援したら、1人当たりの喫煙時間が減り、全従業者の年収が1人7.3万円ずつ上がる」「もし『自転車通勤』を取り入れたら、がん発症リスクが11%低下、CO2削減効果は1人あたり年間最大1.3トン」・・・。生活の質向上や健康増進に関わるいろいろな「もし」の実現が、社会にもたらすプラスの可能性を探っている。

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 推計の監修は、次世代構想や都市政策に関する第一人者、明治大学名誉教授・大都市政策研究機構理事長の市川宏雄氏。例えば、中小企業の育休普及については、中小企業(事業所規模1~499人)の女性雇用者(20~39歳。正規・非正規雇用者)を対象に、女性・男性いずれもの育休の普及により「育児により就業をしない・できない」人の割合が解消され、出産確率が高まり出生数が増加するという仮定で推計を実施。「男性の育児休業の普及(育児分担の充実)による女性の第2子以降の出産率上昇」、それによる出生数増加 などから、30年後の労働力人口の増加数(15~29歳人口の増加数から算出)を求めた。さらに、女性・男性の育児休業の普及により、現在就職を希望しながら求職をしていない女性が新たに労働力人口に加わることなども掛け合わせ、年間出生数3.72万人増加、30年後の労働力人口の62.8万人の増加という推計を打ち出した。

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 少子高齢化による人口減少・労働人口不足・従業員の高齢化は日本の課題。一方で、“人生100年時代”といわれる今、2021年4月施行の「高年齢者雇用安定法」の後押しもあり、シニア社員躍進への注目が集まっている。「育児・介護休業法」も今年4月に改正された。男女とも仕事と育児を両立できるように、産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)の創設や雇用環境整備、個別周知・意向確認の措置の義務化など、男女とも仕事と育児や介護を両立しやすい職場環境づくりも進められている。同社はキャンペーンを通し、中小企業のさまざまな取り組みにより、「一人一人がやりがいに満ちた元気な職場の実現、より明るい未来像をイメージしてもらいたい」としている。

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