まめ学

食品成分の培養液で肉細胞を増殖 日ハムが「培養肉」商品化実現へ向け前進

食品成分の培養液で肉細胞を増殖 日ハム、「培養肉」商品化実現へ前進 画像1
日本ハム 「ニワトリ細胞から作った培養肉(3.5㎝×2.5㎝、厚さ5㎜)」

 

 肉の細胞を培養して食肉を作る「培養肉」の開発に取り組む日本ハム(大阪市)はこのほど、食品成分を利用した「培養液」で牛・鶏肉の細胞の増殖に成功したと発表した。従来の培養液は、調達が安定せず高価な”動物由来の血液成分“を主成分とすることが多く、培養肉商品化の課題の一つになっていた。安価な食品成分の培養液で代替できれば、培養肉商品化の実現に近づく、としている。

 培養肉の商品化には、コストなどの関係から、高価な動物由来の血液成分に代わる代替成分の発見が求められていた。このため日本ハムは、牛・鶏肉から採取した筋肉の細胞を、従来の動物由来成分を使った培養液と、代替成分として期待する食品成分を使った培養液でそれぞれ培養を試み、両培養液の細胞増殖具合を比較検証した。その結果、両培養液はほぼ同等の細胞増殖結果を示した、という。

 日本ハムは「食品成分由来の培養液を用いた培養肉の実現に向けて技術を確立するとともに、培養規模の拡大に向けて、培養肉の生産技術に関する研究開発を推進していく」としている。