エンタメ

「火と水」の関係をメタファーとして、異人種や異文化について考えさせる『マイ・エレメント』/動物の姿をしたビースト戦士が初登場『トランスフォーマー/ビースト覚醒』【映画コラム】

「火と水」の関係をメタファーとして、異人種や異文化について考えさせる『マイ・エレメント』/動物の姿をしたビースト戦士が初登場『トランスフォーマー/ビースト覚醒』【映画コラム】 画像1

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(8月4日公開)

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. (C)2023 HASBRO

 オプティマスプライム率いるトランスフォーマーたちが地球に来て間もない1994年。あらゆる星を食べ尽くす、惑星サイズの規格外の最強の敵「ユニクロン」が地球を次の標的に動き出した。

 この危機に立ち向かうべく、プライムは仲間たちを集め、意図せず戦いに巻き込まれた人間のノア(アンソニー・ラモス)とエレーナ(ドミニク・フィッシュバック)、そして地球を救う新たな希望であるビースト戦士たちと共に立ち上がる。

 このシリーズは、もともとは日本で発売されていたロボット玩具から発展したもので、製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、監督マイケル・ベイ、主演シャイア・ラブーフの『トランスフォーマー』(07)から始まった。

 同じくベイ監督、ラブーフ主演の『トランスフォーマー/リベンジ』(09)『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(11)、マーク・ウォールバーグ主演の『トランスフォーマー/ロストエイジ』(14)『トランスフォーマー/最後の騎士王』(17)、トラビス・ナイト監督、ヘイリー・スタインフェルド主演の『バンブルビー』(18)と続き、この映画がシリーズ通算7作目となる。

 今回は、動物の姿をしたビースト戦士(マクシマルズ)が初登場する新たな物語となっているので、過去のシリーズ作とのつながりは薄いが、人間の主人公がヒスパニック系と黒人というところに、時代の変化を感じさせる。監督は『クリード 炎の宿敵』(18)のスティーブン・ケイプル・Jr.。

 久しぶりの3D映画で、見ている間は派手なアクションと音響に耳目を奪われるが、見終わった後はあまり印象に残らない。それは各キャラクターの描写がいささか雑なので、彼らの行動原理がはっきりせず、戦いのシーンも雑然としていて誰が誰だか分からなくなるところがあったからだ。

 どうやら“続き”が製作されるようなので、捲土(けんど)重来を期待したい。

(田中雄二)