少し間をおいて、近くにある「八千代」へ。大正初期に創業されたという食堂で、ここもまた、この建物の中で食事させていただけるというだけですでにありがたいようなお店だ。40分もかけて焼くという玉子焼き、うなぎなどいただく。
「散歩」というすてきな店名の喫茶店で一休み。オーディオマニアの店主が一人で切り盛りする店で、地元の方がお昼ごはんを食べにくる場としてもにぎわっている。
小雨が降る中、近くの「城山公園」まで歩いてみる。高台にある公園で、街を見晴らすことができた。高校生が静かにデートしていて、邪魔かなと思って速やかに去る。
夕方、今日の最終目的地である「鈴」という居酒屋を取材させていただく。84歳の店主・湯浅勝三さんがご家族と営んでいる店。釣り好きの域を超えて漁船まで持っている湯浅さんがご自身で取った魚か、あるいは厳選して仕入れたものだけが提供されるという。驚くほど綺麗なアジのお刺身をたくさんいただく。お客さんもみんな気さくで、われわれに優しく話しかけてくださる。なんとあたたかく、楽しい店だろう。須崎に絶対また行きたいお店がたくさんあって困る。