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生田絵梨花が感じる舞台の魅力「作品が育っていくような感覚」【インタビュー】

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 現在放送中のドラマ「PICU 小児集中治療室」や、映画『Dr.コトー診療所』(12月16日公開)など、数々の作品で活躍する生田絵梨花。「乃木坂46」在籍中から積極的に出演していたミュージカルでも、さらに存在感を増し、「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役やミュージカル「四月は君の嘘」の宮園かをり役を好演した。さらに、2023年1月30日から開幕するブロードウェーミュージカル「MEAN GIRLS」では、ケイディ・ヘロン役で主演する。生田に本作への意気込みや、俳優としての思いなどを聞いた。

生田絵梨花

-本作は2004年にアメリカで製作された映画『MEAN GIRLS』のミュージカル化になりますが、ケイディ役で出演が決まったときの心境を聞かせてください。

 映画を見て、ハイスクールでの女子の“カースト”をコミカルに描きながらも、自分らしさを見つけていくというストーリーが面白いと思っていたときに、ブロードウェーでミュージカル化されるという話を耳にしました。その後、トニー賞のナビゲーターをさせていただいて、この作品がノミネートされていることを知り、いつか私もこういう作品に出演したいと漠然と思っていたので、出演が決まったときはうれしかったです。

-生田さんが演じるケイディはどんな人物ですか。

 アフリカで育ち、それまで学校にも通ったことがなかった女の子です。突然、アメリカの高校に転校してくることになり、キラキラした女子に囲まれながら、どう学校生活をサバイバルしていくかが描かれています。環境が変わることで、見た目も内面も変化していく姿をリアリティーを持って演じられたらいいなと思います。

-ケイディにシンパシーを感じるところはありますか。

 環境が変わることで、性格や内面が変わっていくというのは誰しもが経験したことがあると思うので、そこは理解できるところでもあります。それから、“女子あるある”だと思うのですが、背伸びをしてしまって自分を飾ってしまったり、周りに合わせて無理をしてしまうというのは私も分かるので、自分の感覚に引き寄せながら演じたいと思っています。

-生田さんにとっては、これまでにない役柄になるのでは?

 ファッションにこだわりもない女の子がアメリカの高校でサバイバルしていくというのは、自分にとって新たに開拓するところではあると思います。ビジュアル撮影では、アフリカからやってきたばかりの頃のカジュアルなパンツスタイルと、(物語が進んで変わった後の)肌が見える服にミニスカート、髪も染めて巻いている姿のツーパターンを撮影しました。私は、あまりパンツスタイルで撮影することがなかったので、それも新鮮でしたが、変身した後の姿も同じキャラクターとは思えないぐらいの変わり方だったので(笑)、それを舞台上でどう見せていくのか、新たなチャレンジだと思っています。

-本作のタイトル「MEAN」には「意地悪」「人につらく当たる」「ひきょうな」といった意味がありますが、生田さんの意地悪な一面を教えてください。

 好きな人には意地悪したくなっちゃうというのはあります(笑)。例えば、グループ時代には、早く帰りたそうにしているメンバーの腕をつかんで離さなかったり、「今日はこういうことがあってね」とその日のエピソードを5分ぐらい話したけど、それが全部うそだったり(笑)。「実は今の話は全部うそだよ」ってネタばらしをしたときのリアクションが楽しくてやってしまうんです(笑)。

-生田さんに意地悪をされたら好かれているってことなんですね。

 許してくれそうな人にしかしないのかなとは思いますが(笑)。

-ところで、生田さんは子どもの頃からミュージカルに憧れを抱いていたそうですが、実際にミュージカルに出演するようになってその思いに変化はありましたか。

 大好きだということはずっと変わりませんが、こうして舞台に立たせていただけるようになり、「好き」や「楽しい」という感情だけだったのが、「怖さ」を感じた時期もありました。今は、怖さを感じたり、悲観的になったりしたときの自分との向き合い方も分かってきましたし、何よりも見に来てくださるお客さまを信じるということを学んでからは、楽しみながら舞台に立てている感覚があります。