2003~04年にテレビ放送された平成仮面ライダー第4弾「仮面ライダー555(ファイズ)」20周年作品『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』が、2月2日から劇場上映される。仮面ライダーファイズに変身する主人公・乾巧(=いぬい・たくみ)と仲間たちが、人類が進化した怪人“オルフェノク”との戦いを終えた20年後を舞台に、メインキャストが再集結し、人類とオルフェノクの運命を巡る新たな物語が繰り広げられる。公開を前に、乾巧役の半田健人、ヒロイン・園田真理役の芳賀優里亜、仮面ライダーカイザ=草加雅人役の村上幸平、謎を秘めて再登場する北崎役の藤田玲が、20年ぶりの続篇への思いを語り合った。
-主人公・乾巧が、かつてオルフェノクを支配していた敵・スマートブレイン社の手先として登場する序盤からサプライズ満載の物語ですが、台本を読んだときの感想は?
半田 これなら、長年の「555」ファンの皆さんが楽しんでいただけるんじゃないかなと。(テレビシリーズ全話も手掛けた脚本家の)井上敏樹さんらしいホンだな、という印象でしたね。
芳賀 個人的には、私の中で園田真理の物語は、テレビシリーズで終わっていたんです。その彼女の人生が20年越しに動き出すことが、楽しみでもありつつ、ちょっと怖さもあって…。だから、台本を開くのに、少し時間がかかりました。覚悟を決めて読んでみたら、衝撃的な展開もあり、すぐには受け止めきれなくて。
村上 僕は最初、「正当な続篇」と聞き、「どうやって出るんだろう?」と。草加は、首を折られて灰になっているから(笑)。でも、台本を読み始めたら、なるほど、その手があったかと。
藤田 まさか、でしたよね。僕もマネジャーから「出るよ」と言われ、「どうやって!?」と、ドキドキしました。北崎も、テレビシリーズでは食われちゃってますし(笑)。
芳賀 果たして、北崎なのか?って(笑)。
藤田 そう。「カメオ出演かな?」とも思ったけど、しっかり北崎で。しかも、スマートブレインの社長になっていて、どういうことなんだろうと。ただ、「望」と下の名前がついたのはうれしかったな。エンドロールを見たら、やっぱり「北崎」だったけど(笑)。
-かつての役を久しぶりに演じるために心掛けたことは?
半田 僕は当時から、巧を半分ぐらい、自分のままで演じていたんです。だから今回も、考えすぎると巧から遠ざかってしまうと思い、なるべく当時のようにフランクな気持ちで演じることを心掛けました。
芳賀 私も当時、等身大でやっていた部分もあるので、今回もそれほど意識したことはなかったな。でも、今回の真理を全て受け止めて演じられたかというと、迷いながらやっていた部分も大きくて…。ただ、それはそれでいいかなと思って、現場に身を委ね、みんなの顔を見て、監督とディスカッションを重ねる中で生まれた気持ちを大切していた気がする。
村上 僕は以前、ゲームに収録した草加の声が「似てない」と言われたことがあって(苦笑)。
芳賀 どういうこと?
藤田 自分なのに?
半田 でも、そのファンの気持ちも分かる。村上さんは草加のキャラが一人歩きしているんだよ。
村上 僕はずっと、「913(カイザ)祭」(村上が毎年開催している「555」関連のイベント)を続けていたので、一人歩きしていた部分もあるし、「僕が発すれば、それは草加だろう」という慢心もあったなと反省した。
芳賀 なるほど。
村上 だからそれが、草加という役をもう一度、客観的に見直すいいきっかけになった。おかげで、ここまでが草加かな、というガイドラインができたし。
半田 村上さんは僕らと違って、当時から草加雅人という役をものすごく作り込んでいたからね。実際の村上さんは、あんな嫌な人じゃないし(笑)。