かつて社会現象を巻き起こしたかわぐちかいじの大ヒットコミックを原作にしたAmazon Originalドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~」(全8話)が、2月9日からPrime Videoにて世界独占配信される。日米が極秘裏に開発した原子力潜水艦の艦長・海江田四郎が突如、独立戦闘国家“やまと”を名乗って独立を宣言。日米をはじめとした世界を翻弄(ほんろう)する海江田の目的とは…? 日本の実写作品の常識を覆す大スケールで展開する迫真のポリティカル・サスペンスだ。配信開始を前に、プロデューサー兼任で主演を務めた大沢たかおが、作品に込めた思いを語ってくれた。
-昨秋公開の劇場版に未公開シーンを追加した前半と、その後の物語を描く後半からなる全8話という形で、いよいよシーズン1が世界配信されます。今のお気持ちをお聞かせください。
テーマ性やスケール感など、色々な意味で今まで日本にはなかったタイプの作品です。僕たちは、この国の価値観や思いの中で、演劇的なことやVFXを含め、さまざまな面で忖度(そんたく)することなく、最先端を取り入れ、誠実に作品と向き合ってきました。それがいよいよ世界配信されますが、海外のお客さんがどんなふうに見てくださるのか、未知数です。
-期待と不安が入り混じっている感じでしょうか。
もちろん、どんな反響が返ってくるのか、楽しみではありますが、それと同じくらい不安もあります。ただ、チャレンジしなければ成長はありませんし、お客さんにも楽しんでもらえません。だから、そこは腹をくくっていこうと。僕自身、そういうスリルとチャレンジを求めてこの仕事をしているところがありますし、そもそもこんな前例のない作品に参加しているメンバーはみんな、どこかクレイジーな人たちばかりですから(笑)。
-とはいえ、スケールの大きな物語やリアルなVFXなど、これまでの常識を覆すような作品で、日本の映像作品が新たな一歩を踏み出した印象を受けました。
ただ、そういう一歩の踏み出し方は一方向ではなく、360度あらゆる方向にあるんですよね。今回、僕らはこういう直球のスケール感とエンターテイメント性と政治性で勝負しましたが、より小規模でも、ドキュメンタリー的な方向でも、音楽ベースの世界観でも、これからは無限に切り開いていける可能性がある。ただし、曖昧だったり、ちゅうちょしたり、“置きに行く”ようなことをすれば失敗します。だから、僕らも変に忖度することなく、原作にあった日米安保や核の存在に関わる台詞はきちんと残していこうと。それが可能になったのも、Amazonスタジオが出資してくれたからです。