-スウィーニー・トッド役の市村さん、ミセス・ラヴェット役の大竹さんとの共演で楽しみにしていることやお二人の印象を教えてください。山崎さんは「ピアフ」でも大竹さんとご一緒されていますね。
山崎 はい。「ピアフ」で得たものはすごく大きかったです。その時から、またしのぶさんとぜひご一緒させていただきたいと思っていましたし、そうなれるように頑張りますともお伝えしていたので、こんなにも早くまたご一緒できることが本当にうれしいです。この2年間での成長を見せたいと思いますし、まだまだ未熟なところもあるので、この作品でまたしのぶさんからいろいろなものを教えていただき、吸収したいと思っています。
市村さんとは初めてご一緒させていただきますが、学ぶことばかりです。私生活でどう生きて、物事をどうとらえてきたのかが芝居ににじみ出る方なんだなとお芝居を通じて教えていただいています。これからのお稽古の中でもきっとお芝居で通じ合う瞬間を感じられると思うので、それを早く味わいたいです。
糸川 僕はお二方とも初めましてなのですが、一緒にご飯に行けるくらい仲良くなりたいと思っています。僕自身、歌だけでなくお芝居ももっともっと深く突き詰めたいと思っているので、まさにお二人のような俳優に憧れます。たくさんお話を聞かせていただきたいです。ミュージカルに向き合うときはどうされているのか。逆にストレートプレイでお芝居をされるときはどうされているのか。機会があれば、ぜひご飯に行かせていただいて、そうしたお話ができたらうれしいです。
-衝撃的なストーリー展開がこの作品の魅力の一つですが、それにちなんで、最近起きた衝撃的な出来事を教えてください。
山崎 冬で乾燥していたのでリップクリームを持ち歩いているのですが、この間、忘れてしまった日があって、それで急きょ、コンビニでなるべく保湿ができるものにしようとちょっといいものを買ったんです。そうしたら、それが色付きだったんですよ。でも、塗ってみたら、いい感じだったので、その日はそれを使ってポケットに入れたまま洗濯をしてしまったんです。そうしたら、一緒に洗った色々な服に口紅のような赤がついてしまって。靴下にも至る所に赤い色が点々とついていて(笑)。こんなに付くものなのって、衝撃でした。
糸川 リップつながりで言うと、僕が使っていたリップと普段、大輝が使っていたリップが全く一緒だった(笑)。
山崎 そうそう! 一緒のリップ使ってるよねって話した(笑)。
糸川 運命を感じましたね。
-最後に改めて、公演への意気込みをお願いします。
糸川 稽古をしていても日々、この作品の面白さを痛感しています。この錚々(そうそう)たるキャストの方々と一緒にエンタメとして面白いものを作れる幸せをひしひしと感じています。僕たちがたくさん悩んで作り上げたアンソニーが、本番ではどう完成されているのか楽しみに待っていただけたらうれしいです。
山崎 この「スウィーニー・トッド」は、8年ぶり、5回目の上演になります。(演出の宮本)亞門さんが「新作を作るようなつもりで臨む」とおっしゃっていましたが、稽古では、これまで大事に作ってきたものをぶち壊して新たに作っていることをすごく感じています。僕も新しい「スウィーニー・トッド」を作る一員になれていることをうれしく思いながらも、楽しみながら作らせていただいています。前回、ご覧になった方は今回どのように進化したのか。そして、初めてご覧になる方は、世界中でこれほど再演を重ねている作品の魅力を実感しにきていただけたらと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
ミュージカル「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」は3月9日~30日に都内・東京建物Brillia HALLほか、宮城、川越、大阪で上演。