俳優・市村正親の長男で、ミュージカル「オリバー!」で本格俳優デビューを果たした市村優汰が、8月8日から上演される海の音楽劇「プリンス・オブ・マーメイド~海と人がともに生きる~」で舞台初主演を果たす。市村が演じるのは、人魚の王子タリク役。石原颯也とWキャストで、人魚の王子タリクと伝説の国の王女サラの愛と冒険の物語を作り上げる。市村に本作への意気込みや俳優業への思いなどを聞いた。
-舞台初主演となる本作ですが、改めて出演が決まったときの心境を教えてください。
今回、オーディションで出演が決まったのですが、絶対に落ちただろうなと思っていたので、出演が決まったという連絡をいただいたときは夢かと思いました。
-落ちたのかもしれないと感じたということは、あまり手応えがなかったということですか。
歌を聞いていただいたときに失敗してしまったので。ドラマや映画のオーディションではお芝居をすることが多いので、歌を聞いてもらうという経験があまりなくて緊張してしまいました。
-ミュージカルや音楽劇に挑戦してみたいと思ったのは、どういったきっかけからだったのですか。
これまで「市村座」というお父さん(の市村正親)が行っている舞台に少しだけ出演させてもらっていたのですが、(市村正親が主演した)2021年にミュージカル「オリバー!」という作品で初めてミュージカルに挑戦させていただき、たくさんのことを学んで、ミュージカルを本格的に始めたいと思うようになりました。「オリバー!」もそうですが、お父さんが役に入り込んで演じている姿を見て、改めて僕もこんな俳優になりたいと思いました。
-そうすると、憧れはお父さんのような俳優?
はい。僕は映像作品にも出演させていただいているので、そういう面ではお母さんの演技もたくさん見て勉強していますが、舞台ではお父さんの演技をDVDなどでも見て研究しています。
-市村さんから見て、「俳優・市村正親」のすごさはどこにあると感じていますか。
どんな役にもなれるというところです。せりふだけでもその役になりきれるのはすごいと思いますし、応援し続けたいと思っています。
-お父さんから本作に出演することに対してのアドバイスはありましたか。
特になかったです。役作りについても「お前が主演なんだから、自分で作りなさい」と言われました。きっと本番を楽しみに待ってくれているのかなと思います。
-今作は、人魚の王子と王女の愛と冒険の物語を通して、「海と人との共生」を描く音楽劇です。市村さんが演じるタリクは、どんな人物だと考えていますか。
人魚の王子様なので、あまり想像がつかないのですが、例えば映画に登場する王子様を見て、どう振る舞ったらいいのかなというのを学んでいるところです。これからお稽古が始まったら変わってくるかもしれませんが、ビジュアル撮影のときにスタッフの方から、(Wキャストでタリクを演じる石原)颯也くんは清楚系、僕は強さのあるタリクにしたいと聞いたので、今はそうしたイメージで役を作っていこうと思っています。ただ、僕はあまり強そうに見えないと思うので(苦笑)、顔の表現で強さを出していけたらと思います。
-エアリアルパフォーマンスやアクロバットダンスで海の世界を作り上げるというのも本作の見どころの一つです。人魚であるタリクもかなりアクロバットな動きが必要となる役柄ですが、そうした演出についての楽しみを教えてください。
ワイヤーを使って空中に浮くシーンがあるんですが、実はオーディションでそうした動きもやったんですよ。一応、できたのですが、次の日にはめちゃくちゃ筋肉痛になってしまって。なので、きっと稽古や本番を通して筋肉がついて、千穐楽を終えたらムキムキになっているんじゃないかなと思います(笑)。