カルチャー

食の総合出版社「柴田書店」のブックカフェイベント 阪神梅田本店で開催

阪神梅田本店1階食祭テラスで8月17日、食のイベント「柴田書店の料理本フェス」が開始した。会場にはブックカフェ風のコーナーが作られ、プロ向け料理本や家庭の食卓、子ども向けレシピ本などがずらりと並ぶ。

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会場に作られた柴田書店の書棚

食の総合出版社「柴田書店」は、1950年に北九州小倉で創業した。その後、料理に特化した出版社となり、時代の要請に合わせた雑誌や書籍の数々を出版してきた。
同書店の代表取締役社長・丸山兼一さんは、「外食業を支えるということで、1961年に『月刊食堂』を、1966年に『月刊専門料理』を創刊した。当時、プロ向けの料理本でレシピを公開することは少なかったが、技術的なものをしっかり残したいと考え、料理人と直接話してレシピ本を作ることになった。いいものを残したいという創業者の思いを引き継いで、72年続いている」と自社を紹介した。

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柴田書店の代表取締役社長・丸山兼一さん

スターバックスをはじめコーヒーチェーン店が拡大した2000年代には『cafe-sweets』を創刊。コロナ禍には、子供向け料理本を出版し、巣ごもりご飯の需要とあいまって、売れ筋商品となっている。

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食祭テラスに展示された『cafe-sweets』の校正紙
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『料理はすごい!シェフが先生!子どものためのはじめての料理本』(柴田書店編)

時代の先端を行く一方で、長く読まれる書籍もある。料理を科学から説明する読み物である『「こつ」の科学』は、71年に発行された古典的ベストセラーだ。
「一部料理研究家もいますが、プロの料理人が著者であり取材先。写真も料理のプロのカメラマンを使い、原価も時間もかかっている。あまり効率がいいとは思わないが、しっかりしたものを作っていきたい」

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『「こつ」の科学ー調理の疑問に答える』(杉田浩一著)
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柴田書店のこだわりの写真技術について紹介するパネル

本の販売だけでなく、会場に著者や取材先が実際に来て、トークやワークショップを開催する。「イデミ スギノ」パティシエの杉野英実さん、「オーブンミトン」パティシエの小嶋ルミさん、「パティスリーユウ ササゲ」パティシエの捧 雄介さん、日本料理「賛否両論」店主の笠原将弘さんらが登壇。京都の料亭の料理長による利き出汁イベントも行われる。

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『月刊食堂』編集長による鳥貴族の代表取締役社長・大倉忠司さんへの公開インタビュー

『だいたい15分!本格インドカレー』の著者である稲田俊輔さんは、南インド料理店「エリックサウス」総料理長。誰が作っても同じような仕上がりになる「再現性」を重視したレシピ本に、ひと手間加えた会場限定のイートインを特別出店している。会期中にミニ料理教室も行う。
「ワークショップでは、レシピ本にプラスして、プロの世界に近づけるテクニックも紹介している。レシピ本を一旦マスターした方は、今度はここを目指して、さらに深掘りしていただけるといいなと思っている」

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『だいたい1ステップか2ステップ! なのに本格インドカレー』(稲田俊輔著)

ブックカフェ仕立ての会場では、名古屋のTRUNK COFFEEがカフェを担当している。コーヒーやクラフトビールを片手に、座席について本格的な料理本をゆっくりめくることができる。

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会場でコーヒーを入れるTRUNK COFFEEの鈴木康夫さん
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椅子とテーブルが設置されたコーナー

「柴田書店の料理本フェス」は22日(月)まで。
URL: https://web.hh-online.jp/hanshin/contents/str/index.html