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世界に飛び出す「TEAM UKYO」 自転車文化創造へ、活動支える三菱地所

片山右京JCLチェアマン(写真左)、小林京太 三菱地所コンテンツビジネス創造部長
片山右京JCLチェアマン(写真左)、小林京太 三菱地所コンテンツビジネス創造部長

 自転車ロードレースで世界レベルへの日本の競技力向上を目指すジャパンサイクルリーグ(JCL=片山右京チェアマン)の活動が3年目を迎えた。国内各地のレースの充実のみならず、世界最高峰のレース、ツールドフランス出場を目指す「JCL TEAM UKYO」も今年、第一歩を踏み出す。JCLの活動がここまで順調に推移してきたのは、メインスポンサーとして支えてきた三菱地所に負うところが大だ。今年は両者が手を携え新機軸に挑む予定もある。片山氏と三菱地所の小林京太コンテンツビジネス創造部長が、新シーズンへの抱負を語り合った。(前編)

▽チームの本拠地をヨーロッパに。本気の挑戦

 「丸の内の大家さん」で知られる三菱地所と自転車のロードレース。一見、何のつながりもなさそうに思えるが、同社の事業は多岐にわたり、今は全国各地で地域再生のデベロッパーとして役割がより重要性を増している。小林部長によると、街を舞台にしたレースで訪れた人に感動を届けるというJCLのコンセプトに共鳴。街づくりを通じて社会に貢献するという同社の理念とも合致し、支援を続けてきたという。

片山右京JCLチェアマン
片山右京JCLチェアマン

 片山氏は、同社のサポートには「感謝の気持ちしかない。本当の恩返しは自分の代では完結しないかもしれない」と最大限の謝意を示す。元F1ドライバーで世界を舞台に戦ってきた片山氏は「JCL TEAM UKYO」の挑戦にも、具体的なプランを固めつつある。チームの本拠地をヨーロッパにも置き、実績のある世界的にも有名なコーチを招き、選手の獲得や出場レースの交渉を担当してもらう。片山氏は「インパクトの大きい第一歩にしたい」という。

 さらに片山氏は、ロードレーサー育成のためのアカデミー設置の計画も明らかにした。もう一歩でオリンピック出場を逃したレベルのほかの競技の「超弩級のアスリートたち」に、自転車に挑戦してもらう。アカデミーで技術を学んだ選手たちは、JCL TEAM UKYOの「Bチーム」としてレース経験を積む。選手層を厚くするのが狙いだ。こうした矢継ぎ早の施策に、小林部長は「選手にとって力を発揮できる場が整備されてきた。道筋が示されることで、選手は前向きになり実力も上がる」と賛同する。

▽ソフトをつくり出す

 近年、環境にやさしい乗り物として自転車が見直され、さらに電動自転車の普及もあり、帝国データバンクの調査によると、2020年度の国内の自転車の売り上げは2,000億円を超え、史上最高を更新した。 災害時にも便利に使え、健康増進にもつながるとして、2017年からは自転車活用推進法が施行された。全国の自治体が自転車を購入し、レンタサイクルなどで活用しようとしているが、片山氏は「自転車は増えたが、それを生かすソフトが少ない」と指摘。JCLが競技力向上と同時に力を入れているのが、新しい自転車文化の創造だ。昨年秋には、東京お台場のレインボーブリッジを自転車で渡る「レインボーライド」に協力。自ら走った片山氏は「橋の上からの眺めは壮大。今後、無限の魅力を秘めたイベントになる」と絶賛した。

三菱地所 コンテンツビジネス創造部長 小林京太氏
三菱地所 コンテンツビジネス創造部長 小林京太氏

 こうした試みは、全国で地域創生事業を展開する三菱地所にとってもメリットがある。小林部長は「これからはエンターテインメントが大事になる。体験的価値があり、感動があり、参加する喜びがある」と、今後の展開に期待する。冒頭で紹介した新機軸として、2月には同社の〝お膝元〟ともいうべき丸の内を舞台にした「丸の内クリテリウム」が開催される。(後編に続く)