カルチャー

高速道路で自転車ロードレース 9月25日、高知県宿毛市で

記者発表に臨んだ左から中平富宏・宿毛市長、岡村昭一・高知県文化生活スポーツ部長、片山右京JCLチェアマン、加藤康則JCL社長
記者発表に臨んだ左から中平富宏・宿毛市長、岡村昭一・高知県文化生活スポーツ部長、片山右京JCLチェアマン、加藤康則JCL社長

 高速道路を舞台にしたプロの自転車ロードレースが9月25日(日)に高知県西部の宿毛市で開かれる。自転車ロードレースのプロリーグ「三菱地所ジャパンサイクルリーグ(JCL)高知大会」のコース内容がこのほど、発表された。コースは宿毛市内の高知西南中核工業団地を発着する1周12.5キロで、うち7.4キロは自動車専用道路の中村宿毛道路を走る。高速道路でプロの自転車競技が開かれるのは日本では初めて。レースは10周で争い、道路の法面(のりめん)などを使い、一般観客も高速道路内に入れる予定。

時速80キロの争い

 元F1ドライバーでJCLの片山右京チェアマンは「高速道路内には緩やかな長い下りがあり、そこでは時速70キロから80キロのスピードになるだろう」と予想している。同時に、日々の暮らしが営まれる街中や田園の道を、カラフルなユニホームに身を包んだレーサーが、流れるように走る姿も迫力がある。

 地域密着の理念を掲げるJCLは「街をスタジアムに」をモットーに、身近な場所を舞台にしたレースを全国で年間12戦(2022年)行う。高知大会は今年から開催。宿毛市は2020東京オリンピックで、自転車のオランダ女子チームの事前キャンプ地になるなど、自転車を町づくりに活用していることもあり、積極的にJCLのレース開催を進めてきた。高知県も後押しし、宿毛市での開催が実現。

世界でも注目か

 本格的なレースとは別に、エコで老若男女が乗れる自転車を使ったイベントや市民レースは、手軽で集客力がある。今、ブームになっている市民マラソンと同じような魅力だ。今回の高知大会でも、会場に食や名産品のブースを設け、高知を売り込む。県の岡村昭一・文化生活スポーツ部長は「高知の食の魅力も発信し、来年以降につなげたい」と抱負を話した。

 記者発表の席で片山チェアマンは「高速道路を使うレースは世界でも珍しく注目されるだろう」と、将来性があることを示唆した。当日は、一般市民向けや、アマチュア競技者向けのレースも予定されているが、高速道路は使用しない。市民やアマが高速道路を走れるようになるのは「将来の検討課題」(中平富宏・宿毛市長)という。市民レーサーでも高速道路を走れるようになれば、大会の魅力は飛躍的に高まる。