カルチャー

日本大学藝術学部が子どもたちに向けた創作教室を開催 子どもから自由な発想を学べ、学生たちにも貴重な体験

木村政司日本大学藝術学部長(右)と学生・講師
木村政司日本大学藝術学部長(右)と学生・講師

 昨年、創設100年を迎えた日本大学藝術学部、通称「日藝」(以下、日藝)。俳優、脚本家、映画監督など多くの著名人を排出していることでも知られ、先月、“日藝”出身の作家・林真理子さんが同大学の理事長に就任したことも大きな話題となった。

 「コドモのようなココロをもつオトナ。それが日藝気質」をモットーとしている日藝は、東京・墨田区で開催中の「大昆虫展 in 東京スカイツリータウン」で子どもたちに向けて行う創作プログラム「創作昆虫ムシボット」を8月18日に開催した。

 プログラム「創作昆虫ムシボット」は、使わなくなったボタンやプラスチックゴミなどの素材を使って子どもたちがオリジナルの昆虫を作るクラフトワークショップで、ザリガニワークス(東京)協力のもと開催した。

参加者が制作したムシボット
参加者が制作したムシボット

 当日、会場に訪れた木村政司日本大学藝術学部長は、「学生たちは子どもたちから、ものづくりの自由な発想を学んで欲しい」とプログラムの目的についてこう説明した。同時にピュアな気持ちで創作をする子どもたちが作品をどう作っていくのかを見ることで、「発想の転換も図れる貴重な機会だ」と付け加えた。

 プログラムが始まると学生は、子どもたちの制作サポートを行い、素材の接着やアドバイスをするなど子どもと触れあう貴重な体験をした。

 グラフィックデザインを専攻している渡辺大夢さん(デザイン学科・4年)は「自分たちもものづくりをしていますが、子どもならではの柔軟な発想が参考になります。そして子どもたちのものづくりを見て触れ合うと、不思議と制作意欲がかき立てられます」と、この機会を歓迎。

参加者と対話する渡辺大夢さん
参加者と対話する渡辺大夢さん

 また、コミュニケーションデザインなどを学んでいる青木清花さん(デザイン学科・4年)は「子どもたちが楽しんでいて、参加して良かったです。子どもたちが自由に作っているのを見て、私も子どもたちのセンスの良さに負けられないと思いました」と語ってくれた。

参加者をサポートする青木清花さん
参加者をサポートする青木清花さん

 プログラム終了後、木村学部長は、「子どもの知的好奇心は小学生低学年から始まりますが、しかし大人になると社会がそれを変えてしまうこともあります。芸術学部はエキサイティングで世界を面白がる人材を育てたいと思っていますので、子どもの感覚はいつまでも持って欲しいし、忘れないで欲しい」と学生たちについて語った。

 このほか日藝では、美術学科による粘土教室や写真学科による写真教室など子どもを対象にしたワークショプも不定期で開催している。また、今年6月に公開したブランディングサイト「日藝CROSS」では、日藝出身の池松壮亮(俳優)さん主演の100周年記念の動画や、宮藤官九郎(脚本家)さん、中村獅童(俳優)さんらによるインタビュー動画などが視聴できる。