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がんのイメージング剤「NMK89」の IND申請を米FDAが受理 日本メジフィジックスがセラノスティクスの診断用として臨床試験開始へ

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日本メジフィジックス

 

 放射性医薬品メーカーの日本メジフィジックス(東京都江東区)はこのほど、開発中のがんイメージング剤「NMK89」の臨床試験実施申請(IND申請)が、米国食品医薬品局(FDA)に受理され、臨床試験開始が可能になったと発表した。 

 セラノスティクス(治療と診断を一体化した治療戦略)診断用の「NMK89」は、抗MUC5AC(動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分であるムチンの一種)ヒト化抗体に診断用放射性核種のジルコニウム-89を標識したRI (放射性同位元素)複合体で、日本メジフィジックスと住友ファーマ(東京都日本橋)が 非臨床研究を進めてきたという。

 MUC5ACは、膵臓(すいぞう)がんをはじめ、肝臓がん、大腸がん、胃がん、肺がんなどで高発現することが報告されており、非臨床試験において「NMK89」が、MUC5ACを発現した細胞株を移植した腫瘍に集積することを確認しているという。

 日本メジフィジックスは「セラノスティクスの早期実現に向け、NMK89の第Ⅰ相臨床試験情報を最大限に活用した治療薬の速やかな臨床試験開始を目指す」としている。