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世界で最も権威のある漫画賞を受賞 秒速5000キロ、140ページのラブストーリー

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 日本のマンガは世界を席巻中だが、逆向きはなかなか話題にならない。ヨーロッパを代表する漫画家マヌエレ・フィオールの代表作『秒速5000km』(マガジンハウス・東京、税込み3300円)が初めて邦訳された。二人の少年と一人の少女が恋におちる。20年の歳月を140ページで駆け抜ける秒速5000kmのラブ・ストーリーだ。

 舞台はイタリア、ノルウェー、そしてエジプト。さすような日差しの中で出会った2人の少年と1人の少女。甘酸っぱさと苦味を併せ持つ、言葉にするのが難しい恋愛の小さな痛みを美しい色彩で表現している。

美しい水彩画をフルカラーで

 この作品は2011年に世界で最も権威のある漫画賞「アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞」を受賞している。日本人の受賞者は、今のところ水木しげる氏(『のんのんばあとオレ』)だけだ。