内閣府男⼥共同参画局によると、日本の「起業家」に占める⼥性の割合は27.7%(2017年時点)。日本政策投資銀行の新規開業実態調査(22年度)では、「開業者」に占める女性の割合は24.5%だ。
およそ4人に1人では、女性管理職や女性議員の割合と同様、女性起業家はまだまだ少ない。政府は2025年までに女性起業家の割合を30%以上とする目標を掲げている。
このような現状を変えるために、女性の起業を推進するさまざまな支援策が求められているが、デル・テクノロジーズ(東京都千代田区)は、今後の日本経済の成長に果たすべき女性の役割に注目し、日本の女性起業家を支援する取り組みに力を入れている。女性起業家支援の一環で今年1月から「デル女性起業家ネットワーク(DWEN)Dream Techコンテスト」を開始。第2回の同コンテスト表彰式が7月12日、東京都内であり、事業成長戦略に最新技術を取り入れているとして、一般人の「一般投票」で高い評価を受けた受賞者3人をたたえた。
第1位の最高評価を受けたのは、トラック運転手の長時間労働是正を目指す会社「スペース」(愛知県蒲郡市)を立ち上げた同社の村井美映・代表取締役。1位賞品として300万円相当のデル商品が贈られた。
スペースは、全国の協業運送会社の敷地を中継地点として活用する「ドラ基地」というサービスを展開。全国各地に中継拠点がない小規模運送事業者にドラ基地を利用して輸送効率を上げてもらい、トラック運転手の労働時間適正化につなげる狙いで始めた、という。村井代表取締役は「まだまだ女性が活躍しにくい物流業界だが、今回の受賞を励みに豊かな業界にしていきたい」と抱負を述べた。
第2位に輝いたのは、建設業界の人手不足解消とシングルマザーらの雇用創出を目指す「オングリットホールディングス」(福岡市)の森川春菜・代表取締役。ITを活用したインフラ点検業務のデジタル化、効率化などに取り組んでいる。森川代表取締役は「テクノロジーで土木・建設業界を変える弊社のビジネスを評価いただき光栄。社員と喜びを分かち合った」と喜んだ。2位の賞品は150万円相当のデル商品。
第3位は「真空特許技術」で地球温暖化や、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」の問題解決を目指す「インターホールディングス」(東京都渋谷区)の成井五久実・代表取締役。独自の真空特許技術で食品の「賞味消費期限」延長などに取り組んでいる。成井代表取締役は「これからも日本の素晴らしい技術で世界をよりよく変える挑戦をしていく」と課題解決への決意を示した。3位の賞品は50万円相当のデル商品。
受賞者3人はいずれも時代の要請に応える個性的な事業を展開しており、社会を変える女性起業家への社会の期待を高めている、といえそうだ。