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天皇陛下の幼少期にご養育掛りとして向き合った10年の記録 32年を経て遂に文庫化『浩宮さま』

 PHP文庫『浩宮さま 強く、たくましくとお育てした十年の記録』(PHP研究所・京都市)が、12月4日(水)に発売される。東宮侍従として、天皇陛下の幼少期に「ご養育掛り」を務めた浜尾実氏(故人)が、「浩宮さま」のご成長のエピソードを明かしたもの。平成期の1992年の単行本刊行から32年を経て、このほど文庫化の運びとなった。天皇陛下の幼少期の日常をうかがい知ることができる貴重な一冊。税込み990円。

 浜尾氏は、陛下の1歳3カ月からの約10年間、ご養育掛りを務めた。ご両親である上皇上皇后両陛下の基本的な教育方針を、「人間としてご立派な方になっていただきたい」「どんな境遇におかれても、その現実に耐えて人間らしいご立派さをつらぬく強さを持っていただきたい」ということだと受け止めた浜尾氏。同書は、浩宮さまが幼稚園や学習院初等科に入られる前から、他の子どもたちと同じように「自分のことは自分でする」ことができるようにと、浜尾氏が厳しくも温かく接していた様子を伝えている。

 幼稚園で「宮ちゃま」と呼ばれていた陛下が、「ボクにはどうして名前がないの?」と尋ねられたり、突然自転車で浜尾家に登場され、初めて居間のコタツでトランプ遊びをされたりしたというほほ笑ましいエピソードも紹介されている。浜尾氏は2006年に逝去。PHP研究所は、「社会が大きく変化を遂げた令和の時代だからこそ、『よき日本人とは、そしてよき日本の家庭とは』ということを考えさせてくれる本書がますます光彩を放ち、多くの人々のよりどころとなることを確信しております」とのコメントを寄せている。

  浜尾氏は、1925(大正14)年、東京生まれ。1951年から1971年まで、東宮侍従として、皇太子殿下(現・上皇陛下)、浩宮さま(現・天皇陛下)に仕えた。同年から1981年まで聖心女子学院教諭。その後、教育評論家として講演や執筆活動に専念した。著書に、『殿下とともに』(角川文庫)、『新装版子どものほめ方・叱り方』(PHP文庫)などがある。