カルチャー

埼玉県小川町で全長11メートルの手すき和紙絵巻の展示会 京都から伝統工芸品も勢ぞろい

 日本の手すき和紙技術のユネスコ無形文化遺産登録10周年を記念して制作した、鳥獣戯画を模した手すき和紙絵巻「鳥獣戯画~手漉き和紙ができるまで~」が、11月22日(土)~11月24日(月・祝)まで、埼玉県小川町で展示される。生産不足の手すき和紙原料ねり(トロロアオイ)を家庭で育て、農家・職人に届ける「わしのねりプロジェクト」を運営する「企画屋かざあな」(スタイルプラス・東京)が主催。小川町を散策しながらユネスコ登録されている手すき和紙の産地を体感できる展示会で、京都から伝統工芸品なども勢ぞろいする。

 この絵巻は、国宝『鳥獣人物戯画』が伝わる京都 栂尾(とがのお)山高山寺から許諾を得て、手すき和紙の原料となる楮(こうぞ)やトロロアオイの栽培から、紙すきの工程、流通までのイメージをおなじみの動物たちを模して描いている。ユネスコ無形文化遺産に登録された細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)、本美濃紙(岐阜県美濃市)、石州半紙(島根県浜田市)の三紙の手すき和紙をつなぎ合わせ、長さは11mを超える。展示会終了後、原本は高山寺に奉納されるという。

 会場となるのは、小川町観光案内所むすびめ(受付・小川町駅前)、小川町和紙体験学習センター、町家、栃本観音堂横 緑会館。手すき和紙工房となる小川町和紙体験学習センターや、町家など建築物を見て歩きながら手すき和紙の文化を体感することができる。また、京都市の協力で、京表具の映像公開や京都の伝統工芸である水引工芸、和ろうそく、京独楽(こま)の展示販売などもある。

 展示は10時~16時(初日12時から、最終日15時まで)。入場料は手すき鳥獣戯画スタンプ用手すき和紙はがき付きで1000円。